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十九話 ページ21

「さて話に戻りますが、君、あの魔法どうやってるんです?」

 そう言いながら、アズールはフロイドに拘束された俺に近寄る。Aは変わらず口元を一文字にして鋭い視線を彼らに向けていた。

「ちょっと失礼しますよ」
「ああ?」

 と目の前が言うと同時に、フロイドの手がAの口元をこじ開けた。突如の不快感に俺の背中は鳥肌が立つ。さすがに反射でフロイドの腕を強く振り払おうとするが、常人離れの力の強さの前ではびくともしなかった。口を開かせた中をアズールは興味深げに覗き込む。


「がッ……あ゛…」
「うーん。これといって魔力を生み出してるものはないですね。フロイド離していいですよ」


 はぁい、という気の抜けた声が鼓膜に響くと同時に力を失くした体が地面に倒れる。「ふざけんな」と言おうと口を開くが、その代わりに不快感を詰め込んだ汚物が口元から止めどなく出てきた。

 
 冷たい汗をかきながら顔を悪くする俺にアズールは気を使わせて声をかけてきた。


「ちょっと、大丈夫ですか」



 呑気に声をかけるそいつにブチっと何かが切れる。


「てめぇはこの様子が大丈夫に見えんのかぁ?」


 それもそうですね、とこぼした彼は小さな粒を俺に強引に呑ませた。反射で飲み込むとみるみる腹痛や頭痛が収まってくる。突然のことに唖然としていると、目の前にあのフロイドという男が屈んで目線を合わせてきた。


「んーやっぱ変な魔力してんね。お前」


 俺気に入ったよぉ〜とご機嫌に言いながら頭をガシガシとやや乱暴に撫でてくるそいつの手を振り払うと。

「さて、解毒剤も上げたのですから、こちらの質問にも答えてもらいましょう」

 観察するような視線をアズールは向けてきた。

「アレ、君の魔力でしょう。どうなっているんですか?」

 回答次第で締める〜、と呑気に言ってくるフロイドに若干恐怖を覚えるが、俺は正直に答える。


「俺の、守り神みたいなもんだな。正直俺も分からん」


 すると、アズールは否定も肯定もせずになるほど、とこぼした。


「あ、でもアイツらから聞いてみた方がいいかも」
「え、君、あれ以外にも。なにか従えているんですか?」
「ん?」


 質問に答えた俺は常識的には、まずくなかった、はずだろう?


「俺の、アイツらはそこらへんにいる植物なら、全部使えるぞ」


 そう答えた瞬間、


「うん。やっぱり君には来てもらいます」

 
 という声が聞こえてきたと同時に俺の記憶はプッツリと切れた。

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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです!!!!!! (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです! (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねっとり | 作成日時:2022年1月20日 16時

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