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ん、と返された声が何だか幼く聞こえた。
逸らされた顔をよく見ると、まるで子どもが照れた時のように紅く色付いた耳が、白い髪から見え隠れしている。
…どうやら、“感謝されたいんだけど”というのは私に謝らせない為の彼の気遣いのつもりだったものの、本当に言われるとは思わなくて表情に困っているのだろう。
何やかんやで五条さんは何処か不器用で優しいのだ。大嫌いな私にさえ気を配ってくれる程に。
いつまでもその横顔を見ている私に「何？見蕩れてる訳じゃないんでしょ？」と少し呆れた後、五条さんは長い足で床を蹴って椅子ごと窓際へ移動した。
少し距離は近くなったが、朝日が逆光となって表情があまり見えない。
「何があったのか、話してくれるよね」
その言葉に「何も無いとは言わせない」という副音声が含まれているかと思うような口振りだ。話を逸らせるような雰囲気でもない。
この場合どう報告すべきなのだろう。呪詛師と接触したこと自体は伝えるとして、あれを誰だと言えばいいのか。
確かにあれは生身の夏油傑ではあったけれど、もしそう伝えたならば五条さんは「脳味噌でも腐った？叩くと治るらしいよ」と私を殴りかねない。呪術師を辞めると伝えた時のように。
まあ殴られるのは百歩譲っていいとして、言動が怪しい私のことを上はマークするだろう。これ以上何かに巻き込まれるのは正直ウンザリだ。
「…ねえ、別に僕は今怒ってないから。勿体ぶらずに言いなよ。僕に助けられた借りを返すって思えばいいじゃん」
膝の上で拳を握ったのを見て、私が勘違いしていると思ったのかもしれない。実際彼が怒っているとは思っていなかったし、ただ私が一人で焦っているだけだ。
五条さんを信じるべきなのに、そうすると昨日見た人の説明が何も出来なくなる。そのジレンマに私は焦りを感じている。
「何で今日はずっと、そんなに泣きそうなの」
彼のものとは思えない穏やかな声が、私を気にかけているのだと分かる。どこかで聞いたような。…そうか、昨日私を落ち着かせたあの魔法のような声の正体はこれだったんだ。温かく包んでいた手も、抱えてくれた腕も、間違いなく五条さんのもの。
無意識に俯いていた視線を上げると、最後に見たのと同じ蒼空が私を少し心配そうに覗き込んでいた。
いつもの様にこちらを見透かすような鋭いものはない。
…ああ、この人が傑を殺したはず、なんだよな。
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ユシュケ(ユコ)(プロフ) - まめさん» ありがとうございます〜！すごくすごく久しぶりにまた更新しましたのでまた読んでやってください✩ (2022年12月20日 1時) (
レス) @page48 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - ずっとずっと待ってました！すごくすごく久しぶりに開いたら通知が来ていたので嬉しすぎました泣また頑張ってください！応援してますー！ (2022年9月25日 21時) (レス) @page47 id: 3de5d823fb (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - 妃さん» こちらこそありがとうございます！！時間が経ってしまいましたがまた読んでいただけると嬉しいです♡ (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - chiaki0708さん» オリジナル要素多すぎて読みにくいかな…？と思っていたのでそれを聞けて嬉しいです！すこ~しずつまた更新していくのでよろしくお願いします！ (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - はるきちさん» ありがとうございます！ちょこちょこ再稼働し始めたのでまたよろしくお願いします…！！ (2022年9月4日 1時) (レス) @page47 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユコ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時：2021年3月18日 11時
