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Aside
七海にこの口から伝えてしまった。
確信を持ちたい。つまり現時点では誰にも言っていない事実があるということ。
私の周りは鋭い人が多いから粗方気付かれているのかもしれないけど、兎に角これを誰かに伝える訳にはいかない。
しかし自分の本能のようなものは警鐘を鳴らしている。
見たものの正体が思った通りだったとしたら、私一人でどうこう出来る問題ではないだろう、と。
他でもないあの五条さんを信じられなくなるのではないか、と。
そんな自分の声を振り切るようにがむしゃらに午後の任務を終えると、スマホが着信を告げた。
「…もしもし」
『A、今電話いいか？』
電話口から聞こえてくるのは、少し焦ったような父の声だった。
呪術師に復帰してからは忙しくて母の病室に殆ど行けていない私は、父と会話するのは母への説明の話し合いぶりだ。
会いたくない訳では無く、ただ本当にタイミングが合わないだけ。
「任務終わったから大丈夫。お母さんのこと？」
父は普段からこまめに連絡を取るような人ではない。だから私に連絡を直接よこすなんて、母関連くらいしかないだろう。
そう考えていれば私の思考は当たっていたらしく、父は「うん」と短く返した。
取り乱してはないから、悪い話ではない。はず。
「ドナーが見つかったんだ。今夜手術になる」
「そ…うなんだ。よかった。そっち行こうか？」
「いや、いい。母さんがな、Aは任務で忙しいだろうから休ませてやれって」
体を大事にしろってことか。どの口が言ってんの。
そう苦笑いすれば、聞いていた父も向こうで小さく笑ったのが分かった。実の娘と会話するのに緊張する父親なんて聞いたことがないけれど、どうやら解けたらしい。
「分かった。何かあったらまた連絡して」
「ああ。それと…」
「何？」
「婚約の件、本当にすまなかった」
解けた緊張によって言葉がスムーズに出てきたのだろう。姿は見えていなくても、父が俯いて背を丸めながら電話しているのが分かる。
謝って許されることではない。娘の幸せを何よりも大切にしなければならないのに。Aの人生を勝手に決めた俺は父親失格だ。
自分を呪うような悲痛な言葉の端々に、父の本当の優しさが隠れている。
「大丈夫、分かってる。お父さんがこの話持ってこなかったら、お母さんは今夜手術出来ていなかったんだから」
．
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ユシュケ(ユコ)(プロフ) - まめさん» ありがとうございます〜！すごくすごく久しぶりにまた更新しましたのでまた読んでやってください✩ (2022年12月20日 1時) (
レス) @page48 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - ずっとずっと待ってました！すごくすごく久しぶりに開いたら通知が来ていたので嬉しすぎました泣また頑張ってください！応援してますー！ (2022年9月25日 21時) (レス) @page47 id: 3de5d823fb (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - 妃さん» こちらこそありがとうございます！！時間が経ってしまいましたがまた読んでいただけると嬉しいです♡ (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - chiaki0708さん» オリジナル要素多すぎて読みにくいかな…？と思っていたのでそれを聞けて嬉しいです！すこ~しずつまた更新していくのでよろしくお願いします！ (2022年9月4日 1時) (レス) id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
ユシュケ(ユコ)(プロフ) - はるきちさん» ありがとうございます！ちょこちょこ再稼働し始めたのでまたよろしくお願いします…！！ (2022年9月4日 1時) (レス) @page47 id: cf63eb9bb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユコ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時：2021年3月18日 11時
