百五拾九、ぐしゃぐしゃ ページ9
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確かに、私は“田安”に負の感情しかない
あわよくば、自らの手で引導を渡してやりたいくらいには
桂『局長補佐が考えるような事じゃないな。
「………敵なのに心配してくれてるの」
桂『お前は大助の大切な妹だからな』
真選組だろうが何だろうが気にかけるさ
そう言ってくれたけど、余計にそれで胸の中がぐしゃぐしゃになる
「……………立場とかそういうの、もう分かんない」
桂『A…』
確かに、今の私は攘夷志士寄りの思考な気もしてくる
憎いから殺したいだなんて、とても他の人には言えない
「………私には分からない」
小さく呟いて、一方的に通話を切った
そして近藤さんの部屋に向かう
部屋の外から覗くと彼は書類を片付けていて、話しかけるのを少し躊躇する
それと、少しの罪悪感
近「Aか。そんな所で何してんだ?」
「あ、や、えっと」
不意に振り向いてこっちに気付かれ、何て切り出すか決めてなかった私はあたふたと言葉を探す
「…ちょっと、話があって」
近「そうか。そんな所で突っ立ってねぇでこっち座れ」
察してくれたのか笑って手招きしてくれたので、隅の方にちょこんと正座する
近「…で、何だ。話って」
「仕事溜まりかけてるのに申し訳ないんですけど……………数日休み下さい」
近「よかったら理由、聞かせてくれるか?」
まあ普通は聞かれるよな、と思いながら口を開く
別に嘘なんかじゃない、けどやっぱり罪悪感
「……………真選組で居続けていいのか分かんなくなってきました」
それを考える為に、後悔しないように、少し時間が欲しい
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時