百九拾六、死ねない ページ46
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「………大丈夫…なんとも無い」
山「でもっ…Aさん…」
「いいから」
そう言うと、私に刀を刺している浪士を一人蹴り上げ、体から引き抜いて残りを斬り払う
残りのそれを引き抜くと、流石に痛んだ
ボタリボタリと、大きく開いた傷口から血が垂れる
痛い?そんな感情とっくに過ぎてる
「まだ私は死なない。死ねないの」
そう言って、もう一度山崎と背を合わせる
最初よりは随分減ったけど、どうせまだ湧いてくるし、一人一人が厄介なやつばかりだし
山「でも俺たち…もう…」
「下向くな。まだ終わってない」
死なないうちは生きてるから
そんなちょっと意味のわからないことを呟き、刀を構え直す
「…明日、始末書手伝って。右手で筆握れない」
そう言って自嘲気味に笑ってみせる
山崎は少し驚いたような顔をしたが、彼もまた笑った
山「いいですよ。何枚だって書いてあげますよ」
「言質取った。文句無しね」
山「勿論です」
私は右腕もう使えないし、山崎も全身ボロボロ
お互い満身創痍なんてレベルじゃない
けど“勝つ”という意思だけは折れてない
山「「オラぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時