百六拾九、子供の成長は割と早い ページ19
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銀「………意味ならあったさ。お前が
「じゃあ、何」
銀「いい加減現実に向き合え」
「…現実?」
銀「お前は、俺が刀を持ち帰ったあの時からずっと、何一つ変わっちゃいねェ。口では死んだだのもう戻ってこないだの言ってるが、テメェの頭ン中では何一つ思っちゃいねェ。
受け入れるのが怖いだけなんだよ。大助の死を」
怒るわけでもなく、諭すわけでもなく、銀時はただの独り言のように呟き、こちらへ寄ってきた
銀「本当に大切な者を失う辛さは、痛みは、苦しみは、己を斬るより深ェ。それをお前は誰よりも分かってる。
それだけ分かっていれば、お前は誰よりも強くなれる。強くなれば、テメェよりも大切なモンも守れるようになるだろ」
不意にその大きな手が私の頭に乗る
反射的に顔を上げると、銀時は笑っていた
銀「あんなに小さかったガキが、こんなに大きくなるたァね」
「や…やめて」
髪の毛をわしゃわしゃとかき乱す彼に反抗するも、
目の前の片腕脱いだ着流しを引き寄せていた
「兄上、死んじゃった」
銀「…あァ」
「もう、戻ってこないって」
銀「そうだな」
銀時は少し驚いたようだったけど、優しく抱きしめてくれた
雨は止むどころか勢いを増して、私の空っぽの胸に満ちていく何かは涙となり、溢れ出す
雨音に紛れて嗚咽が漏れると
銀「…無理に強がんな。お前の上司達は…癪だがよく出来たやつばかりだからな」
そう言って、腕の力を強くした
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時