百六拾五、力の差 ページ15
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後ろ髪引かれつつも銀時の言う通りに走り、田安を追いかける
外に待機してた攘夷志士達は銀時のところにみんな行ってしまったのだろう、こっちはさっきの喧騒とは正反対の静かな空気が広がっていた
そこに響くのは私の足音だけだったのに、遠くで微かに話し声がした
そっちへ走っていくと、あいつらが黒塗りの高級車へ向かっている所で
「何処行くつもり?」
田「何処でもいいだろう。君には関係無い」
「部下を置いて敵前逃亡なんて、そっちは随分人使いが荒いのね」
田「作戦的撤退って言ってくれないかね」
片付けてくれ、という合図をすると、傍に控えていた屈強そうな浪士が三人、前に立ちはだかる
成程、ボディガードという訳か
田「殺して構わんよ」
「…やってみろ」
カキン、と何度か刀を合わせてみて分かった
一撃一撃がとてつもなく重い
力じゃ勝てない
それだけなら総悟にも勝ってそうなくらい
それが三人
何とか力を受け流しながら防戦一方だった私は、そのうち刀を弾かれてしまった
ここぞとばかりに全員が一気に切り込んでくる
「くそっ………」
咄嗟に避けきれず、利き手である右手に刀が刺さる
「い“っ……!!」
力が入らない
そのままもう一撃入れられそうになり、次は蹴り上げて隙をつくって、飛ばされた刀の元へ
返り血や自分の血で汚れた着流しの裾を破り、右手と刀の柄を括り付ける
これが千切れない限り私は刀を握り続けられる
男「しぶとい女だ」
「よく言われる」
褒め言葉でしかないそれを受け止め、刀を構え直す
こんな所で逃がす訳には、いかない
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時