出勤風景 ページ7
・出勤風景
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真っ白な雲の間に太陽が覗いている空。
丁度いい気温。程良い風が吹いていて涼しい。
グレーのアスファルトにお気に入りのスニーカーが映える。
「でな、そこの定員さんが……やねん」
「それ私やったら嫌やわー」
今日は賢ちゃんと同じ収録。幸い人通りが少なく話しかけられることはない。
こうして並んで話しながら向かうというのは久しぶりでテンションが上がっているせいか、足取りは軽い。
「A」
彼に突然名前を呼ばれ見上げる。いつもより爽やかさを感じる彼の顔にドキドキと胸が高まる。
｢何さっきからニヤニヤしてん。きしょいわ｣
彼はいたずらっ子のような目つきで笑いながら言った。サラッと雰囲気をぶち壊す発言。
「ふふっ」
だが冗談と分かりきってるからイラつかないし、それすらも丸く受け止められる。
｢お前、ぶっさいくやな〜｣
｢え、それは嬉しい｣
｢なに？ 基準わからへん｣
確かに彼氏に可愛いとか美人とか言われるのも嬉しいが、親しいからこそ言い合えるのはもっと嬉しい。
困った顔を見るのが面白くて今度は私から仕掛けてみた。
ナチュラルに指と指を絡めて彼の左手を握る。
いわゆる恋人繋ぎというやつ。
彼は一瞬目を見開いて驚いた様子だったが、すぐにぎゅっと強く握り返してくれた。
｢……不意打ちやめてや｣
口元が少し緩んでいるように見えた。それを裏付けるように耳が赤く染まっている。
｢賢ちゃん。きしょいで｣
｢Aには勝てへんよ｣
照れ隠しが下手くそな2人のある日の出勤風景。
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音ルナ(プロフ) - わああめっちゃ素敵です！！ひとつひとつ細かな日常を切り取った作品って初めてだし、どれもが柔らかくて暖かくて幸せですね…大好きです…これからも応援しています！！ (2020年3月17日 22時) (
レス) id: 97421d7234 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。ほっこりしました。川西さんのファンなので嬉しかったです。これからも楽しみに読ませ頂きます。 (2020年3月13日 13時) (レス) id: de19f339a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ebi | 作成日時：2020年3月13日 10時
