ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ38)

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ｻｲﾄﾞｽﾄｰﾘｰ ③ ページ38

・海辺の夕暮れ

・川西side

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今日1日好きな人のいいところをたくさん見つけた。

　夏本番が近づいてきた頃、某番組のロケの撮影でAと一緒になった。

　昼間は暑さが肌にまとわりつくような気温だったのにもかかわらず、夕暮れ時にもなると昼間の暑さが嘘だったのかのように涼しさを感じる。

　ロケの間にAのいいところをたくさん見つけた。

　礼儀正しいところ。笑いで盛り上げてくれるところ。話を聞くときはちゃんと聞くところ。

　｢お疲れ様でしたー｣

　そう思っている間にも彼女はいいところを増やしている。

　笑顔が素敵なところ。

　人懐っこい性格でスタッフさんにも好かれている。
今、撮影でお世話になった海の家で打ち上げをしているのだが、お酒の酔いがまわってきて眠くなってきた。

　向こう側のテーブルを見てみると、水田くんがAに絡んでいる。

　ちょっと面倒くさそうな態度をとっているくせに、話している様子を見ると楽しそうに笑っている。

　何だか無性に2人の邪魔をしたくなってきた。こういう時に自分の悪いところが出てきて嫌になる。

　席を立ち上がって｢ちょっと外行かへん？｣と誘ってみれば｢行く行く｣と返事がきた。

　｢水田くんごめんなー｣

　彼女は気にかけてスタッフさんに預ける。

　
　そんなんせんでもええのになあ。

　ある意味嫉妬に似たような感情が心の中に渦巻いた。

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