ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ37)

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ｻｲﾄﾞｽﾄｰﾘｰ ② ページ37

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　Aはここまで歩いてきたようで外の様子がよろしくなかったのか、少し不機嫌そうだった。

　鼻も耳も赤くなってるし。こんなに重いもの1人で持ってきて、言ってくれれば迎えに行ったのに。

　もうちょっと頼りにしてもええのにな。

　男物の靴の隣に彼女の小さい靴が並ぶ。

　やっぱりAって女の子なんやな。普段男だらけの中で仕事してるときはそんなん感じさせへんけど。

　彼女の風で崩れた髪を見て無造作ヘアー？なんて言ったりして。

　今僕どんな顔してる？絶対ニヤけてもうてるやん。しょうがないわ……小さくて可愛い子には意地悪したくなるやろ。

　「ちゃうし。風速がえぐかったんですう。

寒かったんですう」

　ほっぺたを少しぷくーとさせるもんやから。そんな反応が見たくて言ってしまうんよ。

　「やっぱり？鼻も耳もちょっと赤くなってんで。

ほら顔も冷たい」

　そう言ってAの頬を両手で包む。ひんやりと冷たくなっているのを手のひらで感じる。

　体温が彼女に奪われていくようで。自分の方が温かい分冷たくて気持ちいい。

　驚いた様子のぱっちりとした目と合う。

　手を離すと顔を真っ赤にしていて可愛ええ。
　ついつい行動に出てしまった僕はAのことが好きなんやなとおもった。

　少しは僕のことを意識して貰えたんかな。

　自分の気持ちに気づいて欲しいのと欲しくないのが半々。なんにも気にしてないふりをして、買ってきてくれたビニール袋を持って部屋へ戻る。

　あ……これ好きなやつ。

　袋から自分が好きな缶を見つけた時どんな顔をしていただろうか。ああ、あなたのことが愛おしい。

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