鯉 ページ30
×××
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数国英技が終わり昼休み。
草壁さんの渡してくれたお弁当箱を鞄から取り出す。
風呂敷をほどく、前に。
｢Aちゃん!!｣
｢え……｣
わらわらと女の子がわたしの周りに集まってきた。
なんだ!! 鯉か!!!
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｢アイカに聞いたけどさ―！｣
誰やアイカ!!! あ、藤た……に、さんか。
｢ほんとにあの人のこと何も知らないの―？｣
あの人……。考えるまでもなく雲雀さんのことだろう。
｢う、うん。知らない……けど……｣
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｢でもさ―、あたし、見ちゃったんだよね｣
｢な、何が……？｣
勿体ぶってにやにやしてるのは、誰だっけ。確かヤマムラさん。
｢Aちゃんと男の人が抱き合うとこ！｣
え―！ マジで―！ と、女の子が盛り上がる。
え―、マジで―……。
｢えっ、えっ！ ほんとなの!?｣
わたしにきらきらした視線を送ってくる子は……もう誰だっていいや。
抱き合う……って……。
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脳内に蘇るのは
君は見なくていいよ。
雲雀さんの声。抱き締められた時の体の堅さ。
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｢しかも、学校の前で！｣
……は？ 学校の前？
いや、あれはわたしの家のま、え……あ！
蹴られた時か！
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安心するのと同時に。
あなたの目、どうなってんだ!!
さぞかし世界はきれいでしょうね!?
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｢……いや……それは……わたしちょっと貧血持ちで……。よろけたとこを助けて貰った……のかな、多分｣
わたしの咄嗟の嘘に、ヤマムラさんは｢ほへ？｣という顔をする。
｢あ―、確かにそうも見えた！ Aちゃんぐったりしてたし！｣
そりゃ蹴られて気、失ってましたもんね！
なんとかヤマムラさんは納得してくれたらしく。
なんだ―、見間違えかよ―、と軽く小突かれたりしてる。
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｢じゃあほんとに赤の他人なんだ｣
｢う、うん。助けて貰ったから苗字だけは知ってるけど……｣
しつこいなぁ―。
知らないって言ってるのに(嘘だけど……)
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色恋沙汰、はたまたイケメン？
という餌に釣られた鯉は食い尽くすまでその場を離れない。
次あったら話かけてみる!?
あれさ、Aちゃん通したら自然じゃない!?
……なんて話していた声が、俄にぴたりと止んだ。
皆わたしの後ろを見て、あわわわ、としてる。
……教師でも来たかな。
と振り返ると。
.
｢ふーん……。君、僕の名前知らないんだ｣
｢ひ、ばり……さ、……｣
張本人がわたしを無表情に見下ろしていた。
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白雪(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます( *´艸`)続きが気になると言っていただけるのは本当に嬉しいです。100番目……！本当に感謝感謝です。本日続編をあっぷさせて頂きました！二巻でも宜しくお願い致します！ヾ(*´∀｀*)ﾉ (2015年11月20日 18時) (携帯から) (
レス) id: f5f566915a (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 評価の100番目ゲット！すごく面白いです！ (2015年11月17日 20時) (レス) id: b80ecf61a6 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 衿弥(プロフ) - いつも読んでました！続き、楽しみにしてますね、頑張ってください！ (2015年11月14日 23時) (レス) id: bdd1f8046c (このIDを非表示/違反報告)
怜弥(プロフ) - つ、続きが気になる展開です。そして夢主ちゃんの出してくる現実的ネタ面白いですw掛け持ち大変ですけど頑張ってください！←と言いながら掛け持ちしてる人 (2015年11月14日 20時) (レス) id: b52ead1178 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - ひーちゃんめろんちゃんコメントありがと―！最近は返信が遅くなってしまい申し訳ないのですが毎度うえへへ(*´∀｀*)と読ませて頂いてます！怜弥様>>籠目唄からっ！面白いと言って頂けると救われます!!感謝感謝です( *´艸`) (2015年11月14日 19時) (携帯から) (レス) id: f5f566915a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2015年10月29日 19時
