知らない ページ24
×××
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結局、化粧水も乳液も使わずに、脱衣場を出た。
使い方はまた今度、教えて貰おう。
ごしごしとタオルで頭をふきながら、裸足でぺたぺたと床を踏む。
…………。
雲雀さんの部屋、知らねぇや……。
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と、その時。
｢草壁さん！｣
視界に捉えた男性の名を呼んだ。
草壁さんはわたしを見ると、さっきみたいにまた、ふわりと笑った。
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｢なんだかこの家に私と恭さん以外が居るというのは新鮮です｣
｢あ、やっぱりお二人しか住んでいらっしゃらないんですね｣
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雲雀さんの部屋に案内して貰いながら、わたしと草壁さんはぽつりぽつりと言葉を交わす。
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｢…………雲雀さんって……、昔からあんな風に無茶苦茶なんですか？｣
｢無茶苦茶……、そうですね。でも大分、無茶苦茶加減は影を潜めましたよ｣
｢今より酷かったんですか!?｣
｢えぇ、まぁ……。こんな風に人と話すこと事態が昔はありませんでした｣
｢へ――……｣
｢成長した……、というか丸くなったというか。ははっ、委員長には内緒ですよ｣
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委員長…………。
きっと草壁さんは今、昔の雲雀さんを思い浮かべているんだろう。
わたしの知らない。
並中にいた頃の雲雀さん。
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どくん。
心臓が。
――――――痛い。
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……この感覚。知ってる。
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｢テツ、A｣
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正面の部屋から出てきた“今”の雲雀さん。
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あぁ……。
知らない……。
わたしは……全然……。……なんにも。
雲雀さんは、わたしと出会う前、何年間も生きてて。
わたしと雲雀さんには絶対に埋めることの出来ない……距離がある。
そんな当たり前のことが、……なんだか、……凄く……。
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あ。分かった。分かってしまった。
雲雀さんが“なんか嫌”だった理由。
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――――だぶっちゃうんだ。
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同じくらいの年齢の男の人。
わたしの心に十年近く居座り続ける“彼”に。
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白雪(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます( *´艸`)続きが気になると言っていただけるのは本当に嬉しいです。100番目……！本当に感謝感謝です。本日続編をあっぷさせて頂きました！二巻でも宜しくお願い致します！ヾ(*´∀｀*)ﾉ (2015年11月20日 18時) (携帯から) (
レス) id: f5f566915a (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 評価の100番目ゲット！すごく面白いです！ (2015年11月17日 20時) (レス) id: b80ecf61a6 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 衿弥(プロフ) - いつも読んでました！続き、楽しみにしてますね、頑張ってください！ (2015年11月14日 23時) (レス) id: bdd1f8046c (このIDを非表示/違反報告)
怜弥(プロフ) - つ、続きが気になる展開です。そして夢主ちゃんの出してくる現実的ネタ面白いですw掛け持ち大変ですけど頑張ってください！←と言いながら掛け持ちしてる人 (2015年11月14日 20時) (レス) id: b52ead1178 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - ひーちゃんめろんちゃんコメントありがと―！最近は返信が遅くなってしまい申し訳ないのですが毎度うえへへ(*´∀｀*)と読ませて頂いてます！怜弥様>>籠目唄からっ！面白いと言って頂けると救われます!!感謝感謝です( *´艸`) (2015年11月14日 19時) (携帯から) (レス) id: f5f566915a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雪 | 作成日時：2015年10月29日 19時
