第56話 ページ7
新八「そんな簡単に決めつけていいんですか?もしかしたらAさんの写真みて可愛いとか思って嘘ついてる可能性だって·····」
銀時「んなわけねぇだろ。銀髪だしイケメンだし完全にお兄さんじゃねぇか。」
新八「そ、それはそうですけど」
銀時「そうと決まれば連絡してやらねーと」
新八(銀さん自分が兄という可能性を早く取り去りたいんだなぁ·····)
嬉しそうにAに電話をかける銀時をみて新八はそう思った。
✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩
銀時から連絡を貰った私は、息を切らしながら万事屋に走った。
チャイムもなしに勢いよく万事屋の扉を開けると、靴を脱ぎ捨て居間に走る。
私の兄だという彼は椅子に座り、出されたお茶を飲んでいた。
私に気が付き振り向くと、フッと優しく微笑む私の兄。
零れそうになる涙をグッと堪え、兄である彼に抱きついた。
A「本当に私の兄なんだなっ·····」
男「·····俺の妹は随分甘えん坊らしいな」
そう言いながらゆっくり私の頭を撫でる兄。
堪えられなくなった涙で彼の着物を濡らしてしまった。
銀時「いやぁ、よかったよかった!で、これからはどうするつもりなんだ?」
男「私はAと一緒に住みたいと思っているんだが·····Aはどうだ?」
A「私は·····」
兄がそういうのであれば、そうしたい。
しかし頭の中に真選組の皆が浮かんだ。
A「十四郎になんて言おう·····」
男「なんだ?彼氏でもいたのか?」
A「いや、住み込みで働いているんだ。真選組で」
何故か兄は私の言葉に顔が強ばり少し眉がピクっと動く。しかし、直ぐに優しい笑顔に戻った。
男「私はこれでも社長をやっているんだ。お金に困ることはない。事情を言って辞めさせてもらったらいいんじゃないか?私はたった1人の家族であるAといたいんだ」
その言葉に私の気持ちは揺らぐ。
A「分かった。真選組の人達に聞いてみる·····」
私は兄と住めるのは嬉しいのだが、困っていた私に手を差し伸べてくれた十四郎達に恩を仇で返すような真似をしているようで心から喜べなかった。
男「なら、私も一緒に行こう。Aがお世話になった人達なんだ。お礼も言わないとな」
31人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結佳(プロフ) - 続き待ってます (2023年3月19日 1時) (レス) @page12 id: 3057047a96 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!続き気になります (2019年10月12日 11時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さめ | 作成日時:2019年5月17日 21時