第55話 ページ6
するとノックもなしに部屋の扉が開く。
神威「あれ?お取り込み中だった?」
私は晋助から帯を奪い取ると、すかさず着物を着なおした。
神威「ずるいなぁ2人だけで楽しそうにして」
すると晋助はククッと笑い、耳元で囁く。
高杉「·····続きはまた今度だな」
ゾクゾクっと体の中を何かが伝うような感覚。
A「私はそろそろ帰る」
真っ赤になった顔を隠すように晋助に背を向けると、平然を装いながら出口にむかった。
神威「えー?もう帰るの?」
「ねぇーねぇー」と言いながら私の周りをウロウロする神威。もちろん私が彼に構うわけはなく、そのまま部屋の扉に手をかけた。
晋助「おい」
彼の声に、足が止まってしまう。
晋助「気が変わったらいつでも来いよ。そのうち迎えに行ってやる·····」
私は晋助の言葉に返事をすること無く船を後にした。
A「もう朝方だ·····早くかえらないと·····」
早歩きで屯所に向かう。
A「·····晋助」
ふと気づくと、彼の名前を呟き、唇に手を当てていた。
しかし直ぐに顔を横に振り、「忘れろ」と自分に言い聞かせた。
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私が真選組に入隊してから何ヶ月か経った後の事だ。
私の兄の事で進展があった。
その日万事屋に訪れたのは1人の男性だった。
新八「えっと、依頼ですか?」
玄関で男を見た新八が聞く。
男「いや、最近噂で君たちがこの子の兄を探していると聞いて」
男が懐から取り出したのは聞き込みの時に使っていたAの写真だった。何人かに写真を渡していたから巡り巡って彼の元にたどり着いたのだろう。
新八「もしかして彼女について何か知っているんですか?!」
男「実は私も幼い頃に妹と離れ離れになってしまったんだ。もう諦めていたんだがもしかしたら私が彼女の兄かもしれない。」
そう言った男の髪は確かに綺麗な銀髪をしていた。顔もそこそこ整っている大人の男性。
銀時「新八ー。客かー?」
男を一目見た銀時は「あーーー!」と叫び、彼の元に走ってきた。
銀時「絶対Aのお兄さんだよ!イケメンだし、銀髪だし!銀髪なんかそうそういねぇしな!よし決まりだ。すぐにAに連絡しよう」
そう言って電話をかけに行こうとする銀時を新八が止める。
男には玄関で待ってもらい、居間でコソコソと耳打ちする新八。
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結佳(プロフ) - 続き待ってます (2023年3月19日 1時) (レス) @page12 id: 3057047a96 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!続き気になります (2019年10月12日 11時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さめ | 作成日時:2019年5月17日 21時