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第51話 ページ2

その日の夜、私は何故だか眠れなかった。
布団を被り目を瞑っているが、何時間経っても眠れない。

A「眠れない·····」

飲み物でも飲みに行こうと、部屋を後にした。


縁側を歩いていると、庭に1匹の野良猫がいた。
真っ黒な体に金色に光るその目に吸い込まれそうになる。

私とひとしきり目を合わせた黒猫は、屯所の外に向かって歩き出したのだ。そして、門の前で再び座り込み私に振り返る。

A「着いて来いって·····?」

そう言っている様に感じた。
私は猫の傍にいくと、猫は門を開けろと言わんばかりに私の目をじっと見つめる。

門の傍にいる見張り役の隊士は完全に座り込んで眠っていた。
私は重たい門を少しだけ静かに開けた。

猫は門の外に出ると、再び少し進んでは振り返る。

A「·····一体どこに行こうとしているんだ」

気になった私は寝巻きのまま、屯所を後にした。


✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩

A「·····寒い、まだつかないのか?」

こんなに歩かされると思っていなかった私は夜道に羽織もはおらず来てしまったのだ。
歩いているうちにとうとう海岸沿いまで来てしまった。奥には大きな船がある。

猫は私の問いかけに歩きながら振り返るが、ぷいっと進行方向に向き直す。

A「何となく着いてきてしまったが、そろそろ戻った方がいいな·····着いて来いと言われている様に思ったが、たかが猫に何をしてるんだ私は」

私は猫を追うのを辞めようとしたその瞬間、猫が「にゃ」っと小さく鳴き、走り始めた。

?「よーしよし、今日はどこまでいってたんだ?」

その猫は髪の長い男に擦り寄り撫でてもらっていた。


なんだ、やっぱり「着いて来い」って言われたのは気のせいだったか

私は戻ろうとすると、猫を撫でていた男が私に声を掛ける。

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結佳(プロフ) - 続き待ってます (2023年3月19日 1時) (レス) @page12 id: 3057047a96 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!続き気になります (2019年10月12日 11時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さめ | 作成日時:2019年5月17日 21時

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