第45話 ページ46
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Aside
A「·····すごい人だな」
ようやく地図を頼りにやってきた店の前には人だかりが出来ていた。
普通のチョコレートにしては高い価格だが、いつもの半額以下で売っているらしい。
A「それにしても、並ばないのかこの人達は·····」
どうやら早い者勝ちらしく、列も作らず女性達がチョコを巡って争っていた。
力ずくで入ればゲットは出来るんだろうが。警察がそんな事を市民の前でする訳にもいかず、少しずつ人混みを分けながら集団に入っていく。
そして、周りの女性達がチョコの箱を手に取っていき、少しずつ人混みも少なくなっていった。やっとワゴンにたどり着くとチョコは残り一つになっていた。
A「よかった·····まだ一つ残ってた」
それに手をかけた時、もう一つの手が私のチョコを掴む。
本来ならチョコなんかに興味はないから譲ってあげたいが、今回は隊士になってから初めての仕事だ。失敗する訳にもいかない。私は少し力を入れ、チョコの箱を引っ張った。
しかし、向こうも負けじと引っ張ってくる。
視線を上げ、私は相手の顔を見た。
それは知っている人物だった。銀時の所にいたチャイナ服の女の子神楽ちゃんだ。
神楽「あ、お前は!」
神楽ちゃんも私に気がついた様だ。
しかし、お互い一向にチョコを引っ張る力を緩めない。
A「悪いがこのチョコを買ってこいと上司に命令を受けているんだ。だから譲ってもらえないか?」
神楽「私だって、そよちゃんがここのチョコを食べたいって言ってたから代わりに買ってプレゼントするアル」
バチバチとお互いの目から火花が散る。
A「譲らないというのなら力ずくでも·····」
神楽「私だって絶対譲らないアル·····」
私が少し力を入れると、向こうも負けじと力を加えてきた。
バリッ
すると、案の定チョコの箱は音を立てて破れ、中のチョコが地面に散乱する。
A、神楽「あっ」
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作者名:さめ | 作成日時:2019年4月8日 23時