第42話 ページ43
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助手席で大人しく座っているA。
ふと、信号待ちの時にAに目を向ける。
綺麗な横顔に銀色の長髪がよく似合っている。
こんな髪を切れだなんて、なんだかバチが当たりそうな程に思えてくる。
土方「着いたぞ」
俺は店の前に車を停める。
Aを連れ、店の中に入るといつもの親父が迎えてくれた。
床屋「いらっしゃい。あれ?土方さん今日は女連れかい?珍しいねェ」
土方「今日はコイツの髪を切ってやってくれ」
床屋「こんな別嬪さん何処で見つけてきたんだい。土方さんも隅に置けねぇな」
土方「.....コイツは訳あって真選組に入隊した部下だ」
床屋「そうかい、まぁいいや。じゃあ、嬢ちゃんそこに座んな」
Aは親父に指定された席に座る。俺はAが髪を切ってもらってる間、順番待ちのソファに腰掛け、本棚の漫画を適当に手に取り読み始めた。
何分くらい経っただろうか。気づいたら俺は眠っていた。
「.....ろう.......十四郎」
自分呼ぶ声に目を覚ます。
すると、目の前には髪の毛を肩のあたりでバッサリきられたAが俺の顔を覗き込んでいた。
土方「A....?」
Aはいつもの印象とは全く変わっていた。もともとハッキリした顔立ちで見た目は近寄り難いオーラを纏っていたが、髪をバッサリ切ると、少し幼く感じた。
親父「あまりに綺麗な髪が勿体なくてな、そのくらいの長さなら問題ないかい?」
土方「....あぁ、かまわない。」
俺は代金を払い、店を後にすると、Aを連れ車に乗り込んだ。
土方「あれだけ長いと邪魔だっただろ」
A「昔は育ててくれたお婆さん髪を結ってもらうのが好きだったから伸ばしてたんだ。でもまぁ、これも悪くないかもな」
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それから数ヶ月という月日が経った。
松平「おじさんの許可なしに真選組に女入れるたァどういうことだ近藤」
近藤「と、とっつァんには何度も連絡しようとしたんだけど、とっつァんがいつも今女の子といるからとか言って話聞いてくれないから!!」
松平「そりゃおめェがオジさんの都合考えずに適当な時間に掛けてくるからだろォが!!」
近藤「とっつァん!銃はやめてくれ!また壁に穴が!!あああああああ!!」
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作者名:さめ | 作成日時:2019年4月8日 23時