第38話 ページ39
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Aが女中の仕事を始め出してから何日か後、
長い事真選組で女中していたババァが近藤さんに何やら文句を付けているようだった。
女中「正直ね、あの子を置いている方が仕事が増えるのよ!」
近藤「そ、そうは言われても·····」
土方「どうした」
きっとAの事だろうと、俺はその会話に入っていく。
女中「土方さん·····悪いけど新しいあの子は使い物にならないよ。お使いに行かせても迷子になるし、料理をさせてもまな板まで切っちまうんだ。洗濯させたらこのザマさ」
そう言って女中が取り出したのは、真っ黒のはずの隊服が真っ白に変わっていた。
土方「いやいや、逆にどうしたらこうなるんだ·····」
女中「とにかくあの子はうちら女中では面倒見れないよ。」
土方「わかった·····。」
近藤「トシ·····どうすんだ、あの子をクビにするのか?」
土方「近藤さん、少し来てくれ。」
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俺は近藤さんを客間に連れてくると、頭を下げた。
近藤「ど、どうしたんだトシ?!」
俺の急な行動に驚いた近藤さんはオロオロしていた。
土方「あいつ身よりもないし、あんなだから何処に行っても職に付けないんだ。だからうちの女中にでも思ったんだが·····。無理は承知で頼みたい。アイツを真選組の隊士として入れてやることは出来ねェか?」
その言葉に近藤さんは驚き口をポカーンと開けていた。
近藤「しかし、女の子が真選組の隊士だなんて·····。あの子が危険な目に合うかもしれないんだぞ」
そうだ。俺は彼女ために近藤さんに頭を下げているが、彼女が入隊することは、職に付けないより危険な目に合うかもしれない。
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作者名:さめ | 作成日時:2019年4月8日 23時