第10話 ページ11
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土方side
土方「おい総悟、足を上げるな。」
俺は助手席でダッシュボードの上に足を乗せている総悟に注意する。
沖田「·····へいへい」
総悟はめんどくせぇと言わんばかりにダルそうな返事をした。
土方「ちゃんと探してんだろうな。俺は運転してんだからお前がしっかり見てねぇと見つからねェぞ」
すると総悟はポケットからクシャクシャになった紙を取り出す。
沖田「こんな特徴的な髪型のヤツ。いればすぐ気づきやすよ」
それは昨日あった人斬りの似顔絵だ。目撃者の証言を頼りに描かれたその似顔絵はクルクルのくせっ毛の長髪が特徴的だった。
俺は運転しつつも、通り過ぎる人間の顔をしっかり見ていく。
すると、急に角から女が飛び出してきた。
土方「ｯ！！」
既のところでブレーキを踏み、車が少しスリップする。
沖田「ぶねぇな·····ちゃんと運転しろ土方コノヤロー」
土方「女が飛び出してきたんだよ!!」
驚いて地面に尻もちをついてる女に窓を開け怒鳴る。
土方「おい、あぶねェだろーが！」
その女と目が合うと、俺はハッとし、隣の総悟から似顔絵を奪い取った。
目の前で倒れてる女と似顔絵を交互に見る。
顔はあまり似てはいないが、髪型は瓜二つだった。こんな髪の奴が歌舞伎町に何人も居るとは思えない。
俺はパトカーを降りると女の顔の前に刀を突き立てる。
土方「動くな。おい総悟、手錠持ってこい」
女は刀を向けられているというのに、顔色一つ変えずに俺を見つめていた。
沖田「持ってきやしたよ。·····こいつあの似顔絵の髪型そっくりですねィ」
A『急に飛び出して悪かった。しかし私は急いでるんだ。今私によく似た髪型の奴が通ってったんだ、きっと兄かもしれない·····』
土方「てめェの都合なんて関係ねェ。」
俺は総悟に女に手錠を掛けろと顎を使って指示する。
A『おい、どういうつもりだ』
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作者名：さめ | 作成日時：2019年4月8日 23時
