病弱少女と野球少年

第24話 ページ26

みんなテキパキ働いていて、天ぷらの揚がる音やいい匂いがしてきた。
私と千代と監督は野菜の皮を剥いている。








「A皮剥くの上手いね！」







千代が私の手元を見ながら言う。






「うち、父子家庭だから家事のほとんどは私がやってて、だから馴れてるの」







「え、そうなの？なんか、ごめんね」






千代が申し訳なさそうに私に謝る。
私が「大丈夫だよ」というとホッとしたような顔をした。








そんな話をしていると、志賀先生が声を張り上げた。






「お行儀の話じゃないんだ、みんなも聞いて！スポーツするのに重要な脳内ホルモンは３つあるとオレは思ってんだよね！どんなホルモンなのか!?」







みんなの頭の上には？が沢山のぼっていた。
正直、私も何を言っているのかわからない。








「1つ目は自分の将来に集中するためのホルモン！きっと勝てる！きっとオレはやれる！っつう自分への期待！チャレンジな気持ちの時ね！脳内では"チロトロピン"というホルモンが活躍してる！」









『へ？』
そんな声が聞こえてくる。先生も丁寧な説明がついているけれど、私達はまだ何の話なのかイマイチつかめていない。三橋君と阿部くんも帰ってきたけど、さっぱりという顔をしている。








「2つ目は現在だ、練習でも試合でも目の前のコトにビッっと集中してる時、活躍してるホルモンが"コルチコトロピン"だ‼そして３つ目は過去に集中してる時、活躍しているホルモン、今日もよくがんばった！って充実感！勝ち試合の後の満足感！こいつらのおかげで明日のやる気が生み出される！そんな幸せかみしめてる時、活躍してるのが"ドーパミン"だ‼」








「……そうなんスか」
「……それで？」
巣山君と水谷君が先生に疑問を投げかける。
すると、先生は話のつづきを話始めた。








「こいつらが活躍していれば問題ないが、実際はどうよ？」






先生はみんなに逆に投げかける。いきなり聞かれてみんなは？が浮かんでいる。






「負け試合の次の日はグラウンド行くのがイヤじゃないか？やらなきゃならないメニューよりやりたいメニューを優先してないか？努力は才能にかなわないって自分に絶望したことはないか？」




※字数の問題できります。

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水谷文貴

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