俺のマネはこの子だけ

俺のマネちゃん その12 ページ13

「…………」


『なんですか？声が出ないぐらいショックなことですか。それとも日本語忘れましたか？』


さらさらと流れる黒髪。

普段とは違う私服。

心配そうに自分見る瞳。


そのどれもが、


「……柏木ちゃん、綺麗やなぁ」


俺の心を動かすには十分すぎた。


『なっ…え……？あ、ははい？？ちょ…』


珍しく取り乱す柏木ちゃんの顔は段々と紅くなっていき、既に日本語を話せる状態ではなくなっていた。


かわええなぁ。

しかしそれが他の男の為のものだと思うと少し、いや、かなり悔しい。


「…ドライブ、楽しかった？」


『ドライブ？』


「この前柏木ちゃんのスマホ間違えて見てもうてな。なんか迎えに行くやら会いたいやら…」


これ以上踏み込んではいけない。

そうわかっているのに、


「輝くんって、柏木ちゃんの彼氏？」



どうしても、諦めきれなくて、

少しでもチャンスが欲しくて、


何をしてでも、Aが欲しかったんや。


柏木ちゃんの答えは予想とは全く違く、


『……輝は、私の女友達だけど？』



「は？」


『ほら、カメラマンの。よく一緒に仕事行ってる…』


「あー、あの子か。そいやよく話すとこ見るけど…名前知らんかったわ……」



女の子に嫉妬するとか恥ずかしっ！！！

(よっしゃぁぁぁぁあ！！！)


恥ずかしいよりも心の中で全力ガッツポーズをとった。

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