俺のマネはこの子だけ

俺のマネちゃん その10▼ ページ11

Aside

アパートの前に1台の車が止まる。


輝「A〜！お・ま・た・せ♡」


『迎えに来てくれてありがとう、と、言おうと思ったけど言う気なくしたわ』


輝「もう、釣れないなぁ」


輝の目立つ朱色の車に乗り込む。
中は落ち着いた雰囲気だけど、相変わらず目立つなぁとしみじみ駐車場にて感じる。


輝「で？いきなり病院に行くってどしたん？」


今日行くことになったのは病院。


腕のいい先生なので、予約制となっており、早めにとれたから直ぐに行きたかっただけである。


『グランプリが近いからね。マネージャーも本気でかからないと。それに……』


輝「それに？」


『…なんか、最近体調を崩すことが多くて…』


風邪ではないのに、目眩や息切れが多い。

疲れも考えたが、私の場合疲れの反動は頭痛として現れるので、疲れではない。


『なんか…どうにも心配でさ……。とりあえず検査うけようと思って……。…心細くて輝についてもらっちゃったけど…ごめんね』


輝はため息を着くと、助手席の私の頭をペシっと叩いた。


輝「アホ。心細い時まで謝んないの。頼りにされた方が嬉しいに決まってっしょ。ありがとうって素直に言ってよ」


『…うん。ありがとう、輝』


本当、私は友達に恵まれてるなぁ。



輝の優しい声が私の不安を和らげた。

俺のマネちゃん その11→←俺のマネちゃん その9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す