俺のマネはこの子だけ

俺のマネちゃん その5 ページ6

『簓さん、お疲れ様でした』


いつもは最初に渡されるのは水なんやけど、今回はおしぼり。


流石マネちゃん、ようわかっとるわ。


「おん。あんがとな」


『よく頑張りましたね。途中無表情になるんじゃないかと心配しました。』


マネちゃんは俺が媚び売られたりすることが大嫌いだということを長年の付き合いから知っている。

その証拠におしぼりを一番最初に出てきたのだが。


「はぁ…気分最悪や。マネちゃん、抱きしめさせて」


『嫌だ』


「せめてハグ」


『同じでしょうが』


「なんや、つれへんなぁ」


今日のマネちゃんはツンデレ模様。

…こりゃ今日はつれへんかな。


『あ、簓さん。頭にゴミありますよ。取るので屈んでください』


俺の頭を指さし、俺に屈むようにお願いする。

まあマネちゃんちっさいからなぁ｣


『声に出てるけどケンカ売ってんの？』


「いえ！売ってまへん！！」


『じゃあ黙って屈め』


「はい！！」


ほんと怖いわ…俺のマネちゃん……。


頭に手が届いた、その感覚の後に



頭を撫でられた。


「……」


『よしよし。ささらはお利口さんだね』


「ワン！！…って俺ワンちゃんやないで！？」


『冗談ですよ』


マネちゃんが撫でる手はとても優しくて、
大の大人が言うのもなんやけど、すごく安心した。


『私はあくまでもマネージャーですから。ハグとかはできませんけど、ワンちゃんみたいに頭なら撫でてあげます』


「……おーきに」



とても優しい匂いがした。

俺のマネちゃん その6 ▼→←俺のマネちゃん その4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す