俺のマネはこの子だけ

俺のマネちゃん その17 ページ18

「なぁ、マネちゃん」


『はい、どうしましたか？』


「…いんや、なんも。呼んだだけ」


『そうですか』


これは感なんやけど、

そこにいつものマネちゃんがいない気がした。


「なぁ、マネちゃん」


『……』


「……マネちゃん？」


『あ、はい！』


やっぱりや。



「マネちゃん、俺に隠し事してるやろ」


『なんのことですか？』


「言えへんことなんか？それとも…俺には言いたくないことなんか？」


『っ……』


マネちゃんの顔が一瞬苦しそうに歪むのが見えた。

それはどっちなん？

俺にバレたのがあかんの？

俺に、言いたくないからの反応なん？


「マネちゃん、一生のお願いや。俺に、教えてくれ。マネちゃんがひとり苦しむ姿なんて俺は絶対に見たくない。隠せばええってもんやない。ひとりにしたくないんや」


大切な人を守りたい。

苦しむことがあるなら助けたい。


そう思うことは、悪いことなん？



『…ごめっ……なさ、い…』


マネちゃんは謝りながら涙を零した。

そして、病院へ行ったことこと、検査結果と病気のこと、そして


『私は、最後まで…簓さんの、マネージャーでいたい、んです』


泣きながら話すマネちゃんの言葉は、俺の心を動かすのには十分すぎた。


「マネちゃん、よく聞き」


辞めさせられるのではないか、不安が雫となり、瞳から零れている。

俺は優しくハンカチでその雫を拭き、言い放った。


「マネちゃん。いや、柏木さん。








俺と、結婚してください」



一世一代の告白を。

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