並中生徒会長、だった人の日常 (ページ7)

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逃走防止用ページ7

雲雀side

車の後部座席に逃げられないように押し込むように座る。
もちろん首に手錠は付けたままだから、本人もなんとなく察しているだろうけど。
草壁に車を出させる。

「で、なにか言い訳は？」

「どの部分に怒られてるのかがわからない。」

「わかれ。」

「わかれ！？」

地頭がいいのに、こういうとこは残念である。
そこは長年の経験からわかっている。

「そもそも戦闘になるってわかってたのにVG置いてくとか論外。…それに僕、言ったよね。携帯電話は携帯する為にあるものだって。持て。ちゃんと充電しろ。」

携帯電話について話すのは何時ぶりか。

というか、これをかなりの頻度で話している気がするのは気のせいか。

なんで昔は出来たのに、今は出来なくなっているのか。
携帯電話の重要性についてこんこんと言い聞かせる。
正座して小さくなっている本人に復唱もさせる。

まったく、とため息をつく。
話の終わりが見えてきた時には、会社も見えていた。

「ほら、着いたよ。」

「た、助かっ……………この首についた手錠は？」

「逃走防止用。」

首についたもので遊んでいる途中、何度か引く。
その度に姿勢を正し、不思議そうに僕の方を見てる。

「これ…楽しい？」

「うん。」

「……素直だね…」

社長室、Aの部屋で、Aが椅子に座ろうとしていたからそのまま引っ張る。

「持っていくのは必要最低限のものだけだよ。」

「ん？持っていく…？」

今日なんであのヴァリアーのが来たのかわかってないのか、このアホは。

「今日は、アッチとの、会食。」

「あー、完璧に忘れてた。」

「だろうね。はやくしなよ。」

風の守護者は様々な場所へ行く。

それがボンゴレであったり、ヴァリアーであったり、マーレであったり。

そしてそこに、雲の守護者も渋々ながら着いていくんだけど。

空席だった雲の守護者の席は、僕の席となる。
今回の会食は顔合わせも兼ねているのだから、早くしてほしいものだ。

準備を終わらせ、着替えたAが出てくるのは待ってから約20分ほど経ってからだった。