並中生徒会長、だった人の日常 (ページ5)

今日:16 hit、昨日:6 hit、合計:6,866 hit

後ろの般若ページ5

私が思う中で、素手は一番強い武器だと思う。

近距離。

相手の刀を避けて、たたき落とす。
んで、刀ゲット。

対して素手に落とす武器は無い。
だから安心して突っ込める。

刀で遠距離の攻撃を弾き、近くにいた人のリングを奪う。

属性は、雨。

そしてボンボン出てきた人たちを蹴ったり切ったり…

結果、右手に3、左手に3。
手には大空を覗いた、六種のリングを嵌めることになった。
大空の属性自体が珍しいため、近距離・中距離にはいなかったようだった。

「案内お疲れ様。」

そう言ってフランくんを幻で隠す。
わざわざこっちまで来てくれたんだから、十分に働いていると言えるだろう。

周囲の暴言を雑音とし、確実にひとりひとり意識を狩り、遠距離軍団の中に入る。

片手に槍、片手に刀。
槍で弓を弾き、刀で切りかかる。

そして全員を倒し……本人たちのアジトへポイっと投げた。

「…流石にこれは驚きましたー。」

素手で勝てたことが、と副音声が聞こえそうだった。
珍しい表情のフランくんに話しかける。

「素手ってのは、相手に武器を奪われない。だけど、相手の武器を奪うことができるの。」

「それは、そうですけどー…よくあんなたくさんの種類の武器を使えましたねー。」

思い出すが、あまり覚えていない。
特殊な武器はなかった、よね？と考えていると、フランくんが口を開く。

「剣も刀も槍も弓も銃もナイフも、たくさん使ってたじゃないですかー。」

そのことか、と思い出すも、特別これといったものはない。

「昔よく使ってたから、大体の物は使えるよ。」

「フツーは使えないんですけどねー。師匠も幻術と槍だけですし。すごいですねー。」

「私もずっとデスクワークだったのに、意外と動けてたことに驚いたかな。」

「ずっとデスクワークの人間の動きじゃねーですよー。」

自分でも少し驚いていた。
訛ると思っていたけど、意外と動けていたから。
…相手が弱かっただけかもしれないけど。

「うーん、毎日アルマと遊んでたから、なのかな？」

「100%それですねー。師匠からソレ、ヤバいぐらいに強いって聞いてますしー。」

「アルマはすごいからね。それに」

「ねえ。」

アジトの人を治療しながらの穏やかな会話…だった。

…後ろの般若が来るまでは。