並中生徒会長、だった人の日常 (ページ36)

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こいつとの生活も悪くは無い。ページ36

ヴェルデside

自分の事情とここに来た理由を話された。
しかし、ひどく言われるほどのミスはしていないと考えている。

「ですが、何事も結果がすべてですから。」

「当然だな。」

割り切る辺り、こいつは科学者に向いている、と何度目かの考えを頭に残しておいた。
発想も見方も論点もいい、なにより便利だ。
助手などはいらないが、もうしばらくなら置いてやってもいいだろう。

「そうか。では、昨日計画した実験を始める。」

「お皿洗ったら直ぐに行きますね。」

こいつとの生活も悪くは無い。

？？side

確かに僕は【好きにすれば。】とメールを送った。
だが、それがどこの誰かは聞いていない。
ひとりかもしれないが、ふたりきりかもしれなければ、男所帯かもしれない。
その焦燥感に疑問を持ちながら彼女を探して5日目。

彼女と繋がりのありそうな、彼女が行くと考えられる場所へはすべて行った。

彼女の気に入っているジッリョネロファミリー。

金さえ積めばできるであろうヴァリアー。

一般人の元女子生徒たち。

代理となったアルコバレーノの元も違う。

ならば、どこへ。

彼女は夜の炎を使える前から、自身の情報を隠すことも、消すことも上手かった。
死ぬことはないが、こうも姿を見なければ苛立ちは積もる。
万が一に備え、僕に無理やり食事をとらせる訓練さえされていたのは驚いたが。
彼女の用意周到さと、僕への体調管理、心配から来るものだと考えればと…今は仕方なく体内へ入れている。

そしてそれからまた数日。

仕方なく体内へ食べ物を入れている途中、携帯が鳴る。

「草壁。」

「はい。」

食事中は人を選んで携帯を取る。
表示されていたのは、『笹川了平』。
こういうやつらは草壁に伝言をするようにしている。

丁度食事が終わると、草壁が僕の食器を下げることなく僕を呼ぶ。
緊急のものなのだろうか。

「なに。」

早く言えと急かす。
どうせ会議に参加しろとかいう、くだらないものだと思うけれど。
言いにくそうに草壁が迷うことにすらムカつく。

「恭さんが来れば確実に、修羅場になるから、来いと…そう、話していました。」

僕が行けば確実に修羅場となる。

それは彼女のことしか考えられない。

「場所は。」

「繋がっております。」

草壁から携帯を受け取る。
そこは、予約が必要な、料理店だった。

僕を置いてそんなところへ行くんだ。

余程大切な人なのだろう。

覚悟はできてるね。