並中生徒会長、だった人の日常 (ページ4)

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素手より強いものはないページ4

フランside

いやー、行くとは言いましたよ。
けどー、まさか、ねえ？

「誰もリング無しの丸腰で行くとは思いませんよね、普通。」

「仕事中はフィニもアルマも外してたし、眠かったから。」

「だからと言ってフツー置いていきますー？」

ワープしたのは、丁度敵陣の正面。
ボンゴレの人たちは後ろに避難しているようだった。
敵と味方の間に入ったのは、多分本人の無意識下のワープなんでしょうけど。

でもですよー？

「ミー、最初に言いましたので悪くないと思いまーす。悪いのはA姉さんでーす。」

「そうだね。ごめんね、フランくん。」

「うっわ、素直に受け止めてる…ヴァリアーの人たちに見習って欲しいですー。」

「どう見ても悪いの私じゃん。フランは悪くないよ。」

普段通りのマイペースで話すA姉さん。

それでもこれは流石にマズイ。

相手は多数、こっちはふたり。
もちろん相手はリングを持っている。
対して、こっちのひとりは丸腰。

「A姉さんの為にミーが一肌脱ぐしかないと思いますー。…疲れるけど。」

ザコとはいえ、この人数は疲れそうだった。
どいつからやっていこうかと考えていると、「大丈夫だよ。」と優しい声が聞こえる。

「別に休んでていいよ。」

「……A姉さんは丸腰で、あっちはリング使いまくりなんですけどー。」

「うん、問題ないかな。」

なにを言っているのだろう。
そんなもの火を見るより明らかだっていうのに。
その言葉に驚いていると、「これは私の自論なんだけどね。」とA姉さんが話す。

「素手より強いものは無いよ。」

なぜか丸腰で、リングもなにもないはずなのに、どうしてか……その姿に安心してしまいましたー。

そしてその戦いを見て、ミーはその言葉の意味を理解したのでしたー。

「……流石、ミーの憧れるA姉さんですー。」

『風の守護者』

その名は伊達じゃなかった、ということだけ言っておきますねー。