並中生徒会長、だった人の日常 (ページ24)

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VGが、使えないページ24

綱吉side

とばっちりという単語に雲雀さんが反応する。

「『ほんっっとうに恭弥は悪くないんだよね…申し訳ないぐらいに……』」

「ど、どんなやつなの？」

雲雀さんのこともだけど、とばっちりにオレも気になる。

「『まず、どのぐらいの無関係かと言うと…

沢田くんがグランドで転んだとして、その理由をすべて並盛保育園のこどもたちがおままごとしてるせいにするぐらい無関係。』」

「無関係すぎるー！！」

「『どのぐらいとばっちりかと言うと…

沢田くんがたまたま転んだ時、グーにしてた拳が歩いてただけなのにたまたま鳩尾に入るぐらい…』」

「とばっちりすぎー！！」

「『そうなの！ほんっとうに無関係で、ほんっとうに恭弥は悪くないんだよ！！そもそも恭弥が私の嫌なことするわけがないんだけどさ！？』」

これを直接雲雀さんに言ってくれたらどんなにか…と思いながら通話を続ける。
「『あ。』」と思い出したようにAが話す。

「『みんなに伝えて欲しいんだけど…VG使えないから、あまり無茶しないでねって。最悪リングも消えるかも…多分、一番早く使えるのは山本くんかな。』」

「え！？どういうこと！？てかなんで山本！？」

「『…もう、なにがなんだか…私も混乱してるよ。…色々キッつい…』」

それは本当に辛そうな声で。

「『でも、みんながVG使えるようになるよう…頑張るよ。』」

苦しそうな声が聞こえる。

それって、どういうこと？

オレが聞く前に雲雀さんがオレの携帯電話を奪おうとする。

「『今会議抜けてて、時間ヤバいから切るね。んじゃ！』」

しかし、Aはそのまま電話を切った。

「雲雀さんだけじゃなくて…VGも関係してる？」

VGを使おうとするも、反応がない。

VGが、使えない。

それにリングもって言ってたし…

VGは、Aの言葉の通りで。
雲雀さんも同じようで、小さく舌打ちをする。
それはAなのか、ロールのことなのか…多分、両方だと思う。

「…急いでみんなに連絡しないと！」

オレはVGが使えないという事実に、みんなの身を案じた。
だって、オレたちはたくさん絡まれるし…なんか、最近殺し屋とかも来るし！！怖いけど！！

「雲雀さん、失礼します！」

部屋を出て、ふと気づく。
Aは『みんな』と言った。
普段なら『恭弥とみんな』になるはずなのに。

きっとAは雲雀さんがいることを…知ってたんだと思う。

だから、あんな話を……

止まりかけた足を動かした。