並中生徒会長、だった人の日常 (ページ23)

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とばっちりページ23

雲雀side

珍しくAから電話がきた。
普段使わない携帯電話からの連絡に少し関心しながらも出る。…僕は親でもないのになぜ関心しなければならないのか、と今更ながらに思うが。

しかし、その内容は、いいものではなかった。

「『理由は、私の問題…なんだけど……ごめん。しばらく、恭弥に会えない。会いたくない。』」

「…どういうこと。」

私の問題って、なに。
なにか問題があるなら、困ってるなら吐け。

「『恭弥は本当に悪くないの！本当に…悪くない…関係、ないの…』」

「関係あるんでしょ。なにがあった。」

こんな困った声を聞いて、黙ってられるほど『同級生』をしていない。
Aは「『ごめん。』」そう言って電話を切った。
その声は、震えていた。

おそらく、僕が電話をかけてもA絶対に出ない。

今からバイクで向かっても、Aには夜の炎があるから直ぐに逃げられる。

どうやって捕まえて……首に手錠をつけるか。

僕はそのことに思考を巡らせていた。

「雲雀さん、こんにちは。」

ああ、『そのための』小動物か。

？？side

Aが雲雀さんに『会いたくない』と言ったことは、大ニュースとなった。

そして、その真意を付き合いが長いということで、オレが聞くことになったんだけど……

後ろの雲雀さんがすっごく怖いです！！！

震える指でAにスピーカーモードにして電話をかける。
すると意外と早く電話にでてくれた。
それに対して、より雲雀さんの機嫌が悪くなる。
なるべくいつも通りの声で話す。

「A、久しぶり。」

「『久しぶり。そっちどう？』」

「大丈夫だよ。」

背後の雲雀さん以外は。

そして本題に入る。

「あのさ、Aが雲雀さんに会いたくないって言ったのって…本当？」

「『恭弥から聞いたの？』」

「獄寺くんすごく耳いいから、偶然聞こえたみたいで…あと雲雀さんの機嫌の悪さからコレは多分本当だと思うってなって……」

ごめんね、獄寺くん…嘘ついて。
でも後ろに雲雀さん(超不機嫌)いるからっ……！！
Aはすんなりと答えた。

「『本当だよ。』」

「なんで？雲雀さんとなにかあったの？」

Aは「『うーん…』」となにかを悩んでいるようで。

「『ほんっっとうに申し訳ないけど……とばっちりもいいとこなんだよね…』」

その声は酷く沈んでいた。