並中生徒会長、だった人の日常 (ページ14)

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ケッコンページ14

かなり髪が伸びた。
今までのようにひとつにしても、お釣りがくるぐらいに。

「てことで、思い切ってショートにするべきか、否か。髪、短くしてみてもいい？」

「いいよ。」

そう言われた翌日、腰あたりまであった髪がショート、肩ぐらいまでになった。
前にとある女子が言っていた、『頭が軽い』という意味がよくわかる。

むっちゃ頭軽い。

おかげで仕事もはかどるし、なにより自己暗示とはいえ『変わった』という感覚が楽だった。
だから、それなりに明るくなったとは、思う。けどさ？

「結婚を前提に、付き合ってください！」

「あ、えっと……」

ごめん、まったくわかんない。

ケッコンってなに？

付き合うって、買い物とかじゃないよね？

なんでそんなに張り切ってんの？

ハッキリ言って、頭の中は大混乱なんだけど……

「ケッコンとか、付き合うってなに？」

「…A、それ聞くためだけに来たの？」

「うん。」

目の前には沢田くん。
もちろん傍には山本くんと獄寺くんもいる。

「結婚ってのは……大好きな人と共に生きること？」

「へえ〜！」

「付き合うってのは……大好きな人と…一緒にいる、契約？」

「ええー……

結婚はいいけど、付き合うのは嫌だなぁ…」

そう呟くと、3人がビクッと反応した。

どうしたんだろ？

？？side

今、聞き間違いでなければ、『結婚はいい』と言っていた。

……結婚、いいの？

雲雀さんを置いといて！？

あんな感じになっといて！？

「ほ、本当にいいの！？」

「結婚はいいけど、付き合うのは嫌かも…」

「よ、よくないと思うぜ！？」

「お、お前には、ま、まだは、早い！！」

どうにかAの考えを変えなければ。
そのことでオレたちはいっぱいいっぱいだった。

「早いって、時期とかあるの？何月から何月とか。」

「個人差はあ、あるから…だから、ね？」

「個人差…？」

よし、このままやればまだ丸め込める！！
オレたちは3人で目を合わせると、言葉を続けた。

「人によってスピードとか、付き合ったり付き合わなかったりするから。ね、山本。」

「そうだぜ！だからAはまだ早いんじゃねえの？な！獄寺！」

「とりあえずソイツには、断っとけばいいと思うぜ。」

オレたちの必死の説得もあり、Aは「…うん。」と頷いた。

オレたちは忘れていた。

「(そっか…まだ『恭弥と結婚する』のは早いんだ…)」

彼女の頭は『同級生』でいっぱいだということを。