並中生徒会長の異常 7 ページ7
鈴木くんの攻撃を恭弥がかわす。
「また校則違反だよ。武器の携帯が認められているのは基本的に僕だけ。」
「ちなみにボクは持ってないよ。」
「Aが持ってないのって、校則のため！？」
「違うけれど…そういうことにしておこうか。」
「適当すぎる！！！」
沢田が騒ぐが、それを知らずに戦いは続く。
「やっぱり雲雀さん強すぎる！！あの女子謝った方がいいって！！」
「甘い！」
炎が灯った一撃に、恭弥のボタンが取れる。
プライドか、歯を食いしばるとトンファーで鈴木くんを殴った。
ようやく火がついてきたふたりを、体を張って沢田が止める。
しかしあまりの衝撃に鈴木くんが屋上から落ちる。
「あー！！どうしよー！！」
「『実践問題』
それなりの実力者が落下中。
さて、アルマの取るべき行動は？」
「また問題してるー！！」
アルマは鷲の姿になると、鈴木くんを回収して屋上へ戻ってきた。
鈴木くんは驚いていたようだけれど。
「生きてるから及第点。」
「これも及第点！？」
「正解は、霧の構築で足場をひとつ作ればおしまい。アルマがそこまで動く必要はないよ。」
うさぎに戻ったアルマの頭を撫でる。
お疲れ様と、冷たい言い方でごめんね、の意味。
アルマは許してくれるけれど。
「A！炎のこととか、普通の人に言ったら…」
「彼女たちはマフィアだ。なにか問題あるのかい。」
「そうだぞ、ツナ。こいつらはシモンファミリーと言ってな、ボンゴレのボス継承式に招待されたマフィアなんだぞ。…よくわかったな、A。」
「そういうのに関しては慣れてるからね。」
どうせ昔を知ってるならどうでもいいだろう。
ボクはアルマを抱き上げ、立ち上がる。
「ボクは書類があるから失礼させてもらうよ。」
そしてボクは白い部屋へ戻ったのだった。
タイムリミット前に、ボクたちはなにをしようか。
いや、ここまで怯えるこの子をどう慰めようか。
風のリング、フィニがこんなにも怯える、あの男。
「ねえ、フィニ。ボクは並盛中学校生徒会長だ。だから並中生も並盛も守る。けど君たちは別だ。生徒会長じゃなくても、なにもなくてもボクの、守るものなんだよ。
だから、泣いていいんだよ、フィニ。」
加藤ジュリーと、たまたま道ですれ違っただけなのに。
それなのに、こんなにも泣いている。
「まずは話を聞かないとね…」
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作者名：ドク | 作成日時：2023年9月6日 11時
