並中生徒会長の異常 45 ページ45
リボーンside
「…『今のリボーン』に『話していいのかがわからない』。それに、『これら』はすべてボクの仮説だけれど、ボクの中では『すべて筋も通るし、理解もできる。』…『納得は別だけれどね。』」
Aの言葉の部分部分になにかが隠れていることを感じる。
内容を知っている、だからこそ参加しない、というわけなのか。
それとも、元々参加する気はないということなのか。
どちらにせよ、聞くことはある。
「今のオレに関係することってなんなんだ？仮説も聞きてえ。」
「言わない。けれど、手土産は必要だろう。そこのお菓子と…少しの『きっかけ』を。」
それはまるでAがすべてを知っているような言葉だった。
「ボクは今回の戦いを『保留にできたこと』。そして、戦うことを『代理にさせた理由』。…ここまでだよ。」
Aはそれ以上は本当に話さない、と目で言っていた。
そしてAは席を立ち、オレは茶菓子ときっかけをもらい、謎を抱えながら部屋から出た。
これをほかの奴に話したとしたら、Aについてなにも知らねぇから、スパイやアイツとグル…だと考えるか…。
Aの言葉はすべて確信しているようなものだった。
『これら』
つまり、いくつかあるということ。
『すべて筋が通るし、理解もできる。』
それは正しいもの。
『納得は別だけれどね。』
だが、Aは納得できないこと。
仮説とは言え、そこまでできたのなら話せばいい。
なぜ話さないのか、それが『今のオレ』となるのならば、余計にわからなくなる。
そもそもどこからそんな仮説を作ることのできるほどの情報があったのか。
たしかAはチェッカーフェイスと会うことは初めてだったはずだ。
疑うのも納得はできる。
だが、Aはいつも最善策と言いながら、ピンチや予め手を打つことはあったが、それがオレたちに害を加えることは一度もない。
未来からの手紙でユニを起こした。
白蘭から逃れるために骸を呼んだ。
ユニが脱退することを見越して、ファミリーを逃がした。
γたちをワープで呼び寄せた。
だから、『害は』ない。
だから、オレのことを本気で思って言わない、となると…
「情報共有は、やめるか。」
オレはひとり呟いた。
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作者名：ドク | 作成日時：2023年9月6日 11時
