並中生徒会長の日常 3 (ページ32)

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並中生徒会長の異常 32 ページ32

リボーンside

Aの言っている意味がわからず、今度は深く聞く。

「同じってのはどういうことだ？」

「先入観を与えたくないのだけれど…どうすればいいと思う、恭弥。」

「言えば。」

「そうだね。」

悩んだ時、大体のことを雲雀に聞いてくるあたり、こいつら無自覚なんだなと覚える。
ラルとコロネロのような自覚があればいいのだが、無自覚だからなにも言えねぇ。
「そうだね…」とAが話す。

「スペードくんのことだけれど…彼は、まあ強いて言うなら嘘つきだね。」

「どういうことだ？」

「今までの戦いがそういうこと。なんであんなに不器用なのか、ボクには理解できないぐらいだ。そもそもスペードくんの考えはI世と同じような考えだからね。」

「ええええ！！！あんな人が！！？？」

「そう。…だからこそ、かな。」

Aが目を伏せ、寂しそうに呟く。

「ボクには正義や悪について…話せない。けれど…スペードくんは、スペードくんなりの信念があって……それには、元となるものが必ずあるんだよ。ただ、不器用なだけで…スペードくんは、なにひとつ変わっていない…優しさを甘さと呼び、なにもかも嘘をつく…不器用な人だ。」

それはまるでD・スペードを完全に理解しているような言葉だった。
どこでその情報を知ったのか、本人から聞いたのかと聞こうとしたが、「ここから先は本人に聞いてあげてくれ。」と先に言われた。
そうなれば「ああ。」と答える以外にない。

「それじゃあ、ボクはスペードくんのとこへ」

「行かせない。」

Aの手には手錠がはめられていた。
しかしAは取ることなく、開こうとしていたゲートを閉めた。

「なんで取らねぇんだ？」

「ボク、リングないから。」

そういえば、とツナに声をかけてAに風の原石を渡そうとしたが、断られた。

「今のボクには小さな炎しか灯せないよ。」

「…覚悟が足りねぇってことか。」

「そういうことだよ。あとそこふたり、少し落ち着こうか。」

誰かと見ると、それはAのアニマルリングのアルマと、風のリングのフィニだった。
コイツ、意外と彫金師とかできるんじゃねぇかと考えながら、黒い炎について聞く。

「じゃあなんで黒い炎は使えるんだ？」

「あれは…生まれながらに持っているものじゃなくて、『後付けの炎』だから…かな。」

「そうか。」と返したが、黒い炎もD・スペードについても謎が深まるだけだった。