並中生徒会長の異常 31 ページ31
起きるとそこはボンゴレのみんなが眠っていた。
月も高く、腕時計もないため夜ということしかわからなかった。
さて、ここで問題。
ボクを抱きしめたまま眠っている恭弥。
ここから抜け出すにはどうすればいいか。
「はてさて…どうしようか…」
アルマに出すような問題ではないけれど、これは困った。
無理やり出ることもできるけど、『同級生』だから無理。
一緒にワープさせるのも場所が危険、『同級生』だから無理。
結果、無理。
なんとなく手を見るとご丁寧に治療されていた。
まあ暖かいし。
「…恭弥だから、いいかな。」
他の人なら嫌だけれど。
そうしてまたボクは眠りについた。
その後の恭弥の笑みは知らないけれども。
「…起きてたでしょ。」
「あったかかったから今の今まで寝てた。」
頭部にトンファーが飛んできていた、らしい。
ボクとしてはほぼ反射的に避けただけだからなにも考えていない。
ほらボク、『特別成績者』だから。
そう説明すると、不機嫌そうに納得したらしい。
「寝起きで悪ぃが、色々聞きたくてな。」
「ああ、問題ないよ。あと恭弥危ない。」
「うるさい、当たれ。」
「当たりたい人は少ないと思うけれど。」
トンファーをずっと降ってくる。
当たる気はないけれど、今のボクは当たったらすごく痛いと思うからいやだ。
「雲雀待てよ。」とストップがかかったのは山本。
「山本、大ケガ治ったのかい。よかったね。」
「まあな。それより、A。お前…死ぬって本当か？」
「なんで山本がそれを…！？」
「……白蘭か。遥々日本まで来たのかい。」
山本は難しい顔をしながら、「あいつが治してくれたんだ。」と話していた。
最後に会った時はすごく…申し訳なかったけれど…もう、決めたからな。
「まあ、そういうことで頼むよ。」
「なんで。」
「罪には罰…それだけさ。」
「どういうこと。」
恭弥が引いてくれないため、おそらくこの話は平行線だろう。
リボーンに目を向けると、「わかった。」と渋々話を変えてくれた。
「D・スペードが、ここから消える前に、お前のことを『本当の意味での理解者』って言ってたんだが…どういうことなんだ。」
「それについて、か。スペードくんとボクは…同じだからね。…正直ボクを一番理解してるのはスペードくんだし、スペードくんを一番理解してるのはボクだと思う。」
黒い炎を持つ者ならわかることもあるんだ、と話せれば早いのだけれど。
ボクは話を続けた。
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作者名：ドク | 作成日時：2023年9月6日 11時
