並中生徒会長の日常 3 (ページ13)

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並中生徒会長の異常 13 ページ13

ぼーっとするも、反応は無い。

あの日、ボクは命が惜しくない。どうでもいい。

そう伝えた。

すると復讐者は黙り込むと、闇に消えた。

あれから命を狙われることも、なにもない。

ボクの好んでいた、平和だ。

今日も、明日も、笑っていられるだろうか。

『モノガタリ』なんて全部無視して、並盛のパトロールをしていると、サボりを見つけた。

時刻は、あと少しで一時間目の授業が始まろうとしていた。

「なにしてるんだい、古里。」

「！！」

ボクが来たことに驚いていたように見えた。
強いて言うのならば、動揺、だろうか。

「なにを驚いているんだい？」

「君、は…ツナくんの……風の、守護者…」

「それよりも、なに勝手に学校をサボっているんだい。どんなに勉強が嫌でも、そもそも学校は通うことに意味があるんだよ。」

ボクの言葉に古里が固まる。
そして俯くと、ボクの手を両手で掴んだ。
その様子にボクは大きくため息をつくと、ビクッと反応して謝り始めた。

「す、すいません！！その、違くて…ご、ごめんなさい！！」

「そうじゃないよ。ボクは生徒会長だ。なのに、ひとりでこんなところに居たり、古里が学校へ行かないぐらいの悩みに気づけなかった。…まったく、情けない生徒会長だ。ボクが勝手に思っていただけだ。
古里のせいじゃない、気にすることはないよ。」

そう言うと古里は小さく頷いた。
そして掴まれた手と共に古里が座っていた場所に共に座った。

「どれだけ時間がかかろうとも、ボクが話を聞こう。」

しかし古里は黙ったままだった。
当たり前か。
たとえ生徒会長だとしても、『同盟ファミリーに復讐したい』とは言えないだろう。

「ボクに話すのが難しければ、他の者に話すといい。他の者に話すこともできない悩み、主に呼び出しや脅しなどの物騒なものならば風紀委員に任せればいい。君が言わないならボクはなにも言わない。」

「……」

「…けれど、もし君さえよければ、ボクは君の傍に居よう。誰かに会えるまで。誰かが来てくれるまで。ボクが傍に居よう。……それは嫌かい、古里。」

古里は涙を流しながらもボクの手をずっと握っていた。
そしてボクたちは鈴木くんが来るまでずっと一緒に居た。

ハンカチは渡した。

けれど、古里の涙は見ないことにした。