並中生徒会長の日常 3 (ページ2)

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並中生徒会長の異常 2 ページ2

【ファーストセレクト】

ボクが死ぬ最後まで逃げていたもの。
その内容は、

【アルコバレーノの権利を取得。使用しますか？】

ボクがアルコバレーノになる、というものだった。

選択しなかったから、ボクは死んだ。
なら、選択したら、未来は変わるのだろうか。

ボクは最後の最後で、【YES】を押した。

そして白蘭くんと過ごし、骸くんに無理やり追い出され、恭弥に無理やり応接室に連れて来られた。

アルコバレーノならば、各色が違う。

大空・晴・雨・嵐・雷・雲・霧……あとイレギュラーな風。

風のリングのように、真っ白にするのならば、ボクは『風のアルコバレーノ』と呼べるかもしれない。
けれど、トゥリニセッテは既に完成している。

ということは、ボクは誰かの色に染まる…スペアだ。

「トゥリニセッテが計21とするならば、22となるのはおかしい。万が一、ボンゴレリングを含めたとしても、マーレリングがカウントされない。このことから考えられるのは…ボクがスペアだということだね。」

スペアという言葉に恭弥が大きく反応する。
優しい君のことだ、スペアなんかじゃないとでも言ってくれるのかもしれない。
けれど、これは事実だ。

「10年後のボクはどちらになることも拒んだ。アルコバレーノになることも、ならないことも。だからこそ、ユニとは比べものにならないほどの炎を常に奪われていた。
その証拠に、当時の戦闘スタイルを白蘭くんに聞いた。炎を一切使わず、一撃で終わらせるらしい。
それは、ボクに灯す炎がなかったからだ。」

「……随分と饒舌だね、さっき黙っていたのに。」

「内容が違うからね。」

恭弥が拗ねたように呟く。
仕方がないじゃないか。
ボクがここを利用しているなんて、並盛を愛する君には特にバレたくないんだから。

「つまり、お前はどっちを選んだんだ？」

「……正直…中身の見えないものほど恐ろしいものはないからね。」

「…炎を吸われ続けるとしても？」

「どうやら時に比例するようだ、問題ないよ。」

本当はボクは【YES】を選んだ。
ボクの嘘が恭弥にバレていないのは、ボクが嘘をついていないから。
ボクは少し、ぼかしているだけだから。

リボーンは「わかった。」と納得のいかない顔をしながら出ていった。
そしてひと言。

「こどもの頃のA、すげー強えけど、すげーひねくれてたぞ。」

「…………え？」

その後ボクは沢田たちに謝ろうと決めた。