ボクの日常 23 【山本武の日常 1】 ページ24
山本side
早めに終わった部活帰り。
オレはひとり、今日のフォームについて反省点をあげていた。守備ではもう少し腰を落とせばよかったんじゃねぇか、でもそれじゃあ体重のかけ方が変わるから…と考え直していた。
こどもの声に引かれ、いつもの帰り道ではなく、懐かしい昔の帰り道へ向かった。
サッカーでいいシュートを誰かが教えているらしい。
「かっこいい！！」「あのシュートオレもやりてえ！！」とこどもたちの声が聞こえてくる。
ここまでこどもたちにスポーツを教えるのは大変だろうということと、こんなにスポーツを好きになってもらえることが出来るやつを見てみたかった。
が、まさか、
「かっけー！！Aちゃん！！」
「A姉ちゃんすげぇ！！」
「オレもやりたい！！」
「そうか。ではみんながわかるように、ゆっくり教えるよ。」
生徒会長だとは思っていなかった。
遠くの公園のベンチに座り、水筒を飲む。
一度目の前でゆっくりと説明し、その後にまたゆっくりとわからない点がどこかひとりひとり見ていく。
「そうだ、飲み込みが早いな。」、「あともう少しだけスピードを落とせば…」、「なんだ、ちゃんと出来てるじゃないか。」とアドバイスして、必ず最後には「すごいね。」とこどもの頭を撫でていた。
「じゃあ今日はここまで。」
その言葉にこどもたちが「えー！！」と不満の声をあげる。
気持ちはよくわかる。
あと少しで感覚が掴めそうなのに、部活の時間どころか自主練時間も終わってしまう時、オレもそう思うから。
けれど生徒会長は「よくお聞き。」と声をかける。
「なんでここまでかと言うと、みんなのお母さんが心配するからだよ。」
「オレたち大丈夫だよ！！」
「そうだよ！！もっとやりたい！！」
「そうだね。もっとやりたいね。だけれど、少しみんなのことを心配するお母さんを考えて見て？車の事故にあってないかな？怖い人に捕まってないかな？ケガしてないかな？…お母さんはとても心配だね。
だから、お母さんのために帰ってあげてくれないかな。」
生徒会長がそう言うとこどもたちは「わかった！」と元気に返事をして帰って行った。
生徒会長がオレに気がついたのはこの時だったようで、「いつの間にいたんだい？」といつもの様子で話していた。
「生徒会長のサッカー教室の途中から見てたぜ。」
「それは…なんとも未熟なところを見せてしまったようだ。」
小さく笑う生徒会長に、オレはひとつの提案をした。
ボクの日常 24 【山本武の日常 2】→←ボクの日常 22 【リボーンの日常 3】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
