番外編【天才じゃない、補習の秘密 1】 ページ46
研磨side
何でもできる。
テストで100点は当たり前。
そうなれば当然学年1位になる。
そんな俺の幼なじみが、初めて、
「……今なんて言った?」
「学年順位105位。」
「……夢?」
「じゃない。現実。」
それは105位という1位からは程遠い存在。
『105位』
それは俺よりはるかに低い順位になった。
700点中400点。
平均点より低い、半分以下の点数に『堕ちた女王』『傲慢な王様』というレッテルや呼び名がAに貼られた。
「『落ちた女王』さん、1位ごめんね?」
「別に。1位にこだわってないから。」
「負け犬の遠吠えに聞こえるんだけど。『傲慢』が過ぎたね。」
「そうだね。ほら、わんわん。」
「あれで本当に数学オリンピック金メダル?嘘なんじゃないの?」
「残念ながら本物。」
学校中からの妬み。
自分のクラスの人たちにもあまり話せない俺は「俺の幼なじみ馬鹿にするの、やめて。」と小さく呟くことしか言えなかった。
学校中が笑った。
笑わなかったのはAのクラスメイトと一部の人たちだけ。
俺はそれがどうしても気にくわなくて、Aになんでこんな点数になったのかを聞くことにした。
「なんでテストの点数低いの?ミスしたの?」
その答えは、
「学校では、ミスした。」
『ミスした』という回答だった。
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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月5日 17時