さとみ君の好きな人 パート４

第１３８話 ページ13

直「邦彦さんは、僕の会社と契約が結びたいから聖さんを差し出したんです。」

全「は！？」

　 いくら何でもそれはよくないだろ。最低すぎる。

直「言ったでしょ？使えるものは全部使う。自分の目的を果たすために、
　
　 あのお方は手段を択ばないんですよ。そういう人なんです。」

全「・・・」

　 全員黙り込んでしまった。少しの間、沈黙が続く。

直「さとみさん。」

　「何？」

直「これ、僕のラインです。いつか、いい報告があると思います。」

　「は？」

　 それは、どっちにとってだ？俺らの方にか、桜木直人の方なのか。

直「もしかしたら、聖さんを救えるかもしれません。」

　「なっ！？」

　 聖を救える？いや、そもそも何でこいつは俺らに協力する？

　「何で、俺らに協力するんだ？」

直「僕も、聖さんが好きなんです。」

　 駄目だ、こいつの意図が読み取れない。何を考えているのか、全くもって分からない。

直「だからです。好きな人には、笑ってもらいたいでしょ？

　 それは、皆さんが一番分かるはずです。聖さんが大好きで、大切だから

　 聖さんを救いたいと考えているんでしょ？

　 僕も、聖さんが大切だから。好きな人が幸せならそれでいいんです。」

　 桜木直人は悲しそうな目をして言った。

　 好きな人が幸せなら、か・・・

直「すみません、もう行かなくちゃ。もう少ししたら、いい話がありますよ。

　 それでは。」

　 桜木直人は本社に入って行った。

　 意外に、いい奴だった。

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