性別不明の歌い手は男性恐怖症でした。【さとみ君】

第３話 ページ5

は「コラボの件、ですよね？」

　「あ、はい。」

　 危うく、本来の目的を忘れる所だった。

　「でも、大丈夫ですか？その、レコーディングとか。」

　 そう、異性恐怖症ならあまり同じ空間にいない方がいいだろう。

　「だ、大丈夫です。その、がんばります。」

　「分かりました、無理はしないでくださいね。」

　「は、はい・・・」

　 勢いがあったが、それもすぐに戻ってしまった。

　「葉月ちゃん、私から話すよ・・・」

は「・・・分かった。私出ようか？」

　「葉月ちゃん、お仕事いいよ。」

は「うん、桃瀬さん。あとは宜しくお願いします。」

　「はい。」

　 和泉さんと話すときは声が少し大きくなる。

　 いつか俺にもあんな風に話してくれるかな？

　「平気ですか？俺と一緒で。」

　「・・・私、治したいんです。恐怖症を・・・

　 葉月ちゃん、忙しいから・・・」

　「・・・」

　 友達思いのいい子なんだなって思った。

　 でも、一向に俺に心を開いてくれる様子はない。

　 仕方がないか。

　「曲、何歌いたいですか？」

　「・・・ＤＡＹＢＲＥＡＫ ＦＲＯＮＴＬＩＮＥ、がいいです・・・」

　「分かりました。」

　 俺はスマホで歌詞を調べて、紫陽花さんの前に差し出した。

　「じゃあ、パート分けしましょうか。」

　「はい・・・」
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　 皆さん、さとみ君のアルバム買いました？

　 私、発売日に買ったんですけど。

　 ボイスドラマ、かっこよすぎて死ぬかと思いましたよ。

　 聞きながら書いてたんですけど、ニヤニヤが止まんなくて。

　 その代り、鏡の前ではニヤニヤしてるきもい自分がいます。

　 助けてくれ。

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