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『またサボりかよ〜』
「ごめん、川原の授業嫌いなんだもん」
『それはわかる』
教室に戻ったら真由子はお弁当を食べ始めていたから、そこに合流した。
『ねぇ、A、もしかして永瀬くんといたとか言う？』
さっきまで懸念していたことを早速真由子に見抜かれて、思わずお茶を吹き出しそうになった。
真由子の推察力は侮れない。
「なんでわかった？怖いんだけど」
『いや、匂い。煙草吸うのなんて永瀬だけじゃん』
「うっそ、匂いする？やばい！」
『あたしボディーミスト持ってるよ』
手渡されたミストを数回ブレザーに吹きかけると、フローラル系の香りが広がった。
永瀬の匂いが、消える。
『っていうかなんで永瀬？！仲良くなったの？
本当にやなんだけど』
保健室の一件からあからさまに永瀬に嫌悪感を示す真由子は、おにぎりを咀嚼しながら顔を顰める。
真由子は優しいから、私のことを案じてくれているのだと思う。
「仲良くなっては、ない」
『普通に話せたの？』
「話した、けどよくわかんない……
気まぐれって感じ」
『あーーそんな感じする』
「でも悪い人じゃない、と思う」
「そっか、うん」
相槌を打ちながら話を聞いてくれる真由子の顔には、まだ不安そうな心持ちが見えた気がした。
そんな真由子には、申し訳なくてしばらくの間は
言えなかったのだけど、それ以降も変わらずあの場所でよくサボった。
半分くらいの確率で永瀬はそこにいて、たまたま居合わせた時には並んで話すようになった。
わかったことは、
永瀬は割と頭がいいということ。
しょうとは保育園の頃からの腐れ縁だということ。
見た目に似合わないフルーツ味のガムがお気に入りだということ。
朝が極端に弱いということ。
踏み込まれたくない絶対領域みたいなものが
あること。
そこに触れようとした時、例の、
何者も寄せ付けない冷たい目をするということ。
時々、遠くを見るような、虚脱した顔をするということ。
全部、私の勘違いかもしれないこと。
それなりの数のやり取りを交わしたはずなのに、
永瀬はやっぱりよくわからないまま。
取るに足りない会話ばかりが空回りして、
永瀬の実体が全然掴めないのに変わりはなかった。
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Fujisaku888(プロフ) - やっば！やばやばです！もう最高でした！続き、楽しみに待ってます！！！！！ (2019年8月12日 21時) (
レス) id: d78f9adad7 (このIDを非表示/違反報告)
reeein(プロフ) - もう、天才だと思います。テスト期間の唯一の癒しです、続き待ってます！！ (2019年7月23日 1時) (レス) id: d8f0974525 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - やっぱり、いいですねえ〜( ´ ▽ ` ) (2019年7月21日 16時) (レス) id: 383a94bb9b (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - みさとさん» 嬉しい〜〜です〜〜！！！まだしばらく続く予定ですので引き続きお願いしますね〜〜！o(^-^)o (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - reeeinさん» ワ〜〜！コメントありがとうございます（ ; _ ; ）なんとかかっこいいキャラのまま走れるよう頑張ります〜〜！(？) (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：禊 | 作成日時：2019年6月17日 23時
