よんなな ページ48
サトル「いやだ…！
いやだあああぁぁぁぁぁぁぁ！！！」
建物に絶叫が響いた。
見ていなかったから分からないが、多分今のでサトルさんが死んだんだろう。
マキ「こ、これは…。」
タクヤ「マジで処刑されちまったな…。」
チエ「ちょ、ちょっと…かわいそう…。」
みんな、人殺しを憐れんでいる。
…楽観的だな。
ウルフ「お前たちに人の命を心配してる暇はないぞ。」
ウルフ曰く、今からサトルさんが本当に狼だったのかを確かめる為に、答え合わせをするらしい。
正解なら、脱出の扉が開く。
みんな、緊張しているのが分かった。
推理が正しいとは思いつつも、やはりどこか不安げな様子だ。
答え合わせのスタートです！というメリーの一声が合図になっていたのだろう。
ドラムロールが流れ始め、メリーとウルフにスポットライトがあたる。
結果は、
案の定狼。
メリー「お見事！正解です！
みなさんの推理通り、米森サトルが狼でした！」
マキ「よ、よかった…。」
マキちゃんを筆頭に、みんな安心したような表情になる。
それからは、メリーがサトルさんが犯した殺人の内容を説明していく。
ミホさんに睡眠薬を飲ませたこと。
毒を注射して殺したこと。
死体に輸血パックの血液をかけ、刺殺に見せかけたこと。
タクヤさんに疑いが向くようにしたこと。
すべてが、私たちの推理通りだった。
リツ「でも…。
ガチで処刑されちゃったんだろ…？」
ミサキ「これは…私たちが殺したようなものかも…。」
チエ「で、でも…あの人もミホさんを殺してたわけですし…。
自業自得では…。」
そう、そうだ。
彼は、自分が生き残るためだけに、他人を殺したんだ。
全て彼が悪いわけではない。
この状況を創り上げた、誘拐犯が悪い。
だけど、それでも。
自分の為に、犠牲者を出した。
それだけに留まらず、結局は殺人がバレて死んだのだ。
それが、彼の、罪。
…おっと、まずい。
いつものキャラでいかなきゃ、どこか不審がられてしまう。
やだなぁ、いつもやってきたじゃん。
こんな状況になった、ってだけで、らしくない。
『…どちらにせよ、もう後戻りはできないんじゃない？』
チエ「う、うぅ…。」
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作者名：ハチミツころっけ | 作成日時：2024年3月15日 16時
