よんご ページ46
一言で言えば、「いつものアイツと違う」だった。
何が違うのかと聞かれれば、明確に答えることはできない。
まだ出会って1日か少し辺りの関係で何が分かる、と言われれば、反論できない。
だが、決定的に言えることとすれば、狼裁判中の「彼女」は、探索中の「アイツ」ではなかった、ということ。
言えば、別人のような物だったかもしれない。
それを端から見れば、断罪人を気取った、只の女子高生だったかもしれない。
だが、俺の目にはそうは映らなかった。
そんな単語ひとつきりでは表せないような、確かな変わり様だった。
今回の狼はお前だろ、と聞いてきた時の彼女と、裁判中の彼女はよく似ていた気がする。
ふと、狼裁判が始まる直前のアイツを思い出した。
『本当の自分、ねぇ。
なんだったかなぁ、本当の自分って。』
本当の自分。
そして、なんだったかな、と言う発言。
アイツは、柚木琴乃という人間は。
いつも俺たちに見せる、ヘラヘラとした、だけど場を明るくするような笑顔をするアイツは。
もしかすると、本当の「柚木琴乃」ではないのかもしれない。
誰かを、何かを演じているのかもしれない。
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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時