よんぜろ ページ41
『うん。
ミホさんは刺されて死んだわけじゃない。
じゃあ、狼はなんでこんな上から血をぶっかけるような面倒くさいことしたんだと思う？』
ユキナリ「……！
狼は、凶器を刃物だと勘違いさせたかった…。」
ユキくんが思いついたように、呟いた。
…やっぱり彼は使える。
『そうそう。
そんな風に、刃物を管理していた人に疑いを向けたかったんだよ。』
コウ「なるほど…。」
タクヤ「まじかよ…。
俺に罪を被せようとしてたってことか…。」
『よかったねタクヤさん。
これで君は完全な潔白だ。』
タクヤ「あ、あぁ…。」
リンタロウ「今回の狼さん、あったまいい〜♪」
マキ「じゃあさ…。
そもそも刃物で死んでないなら、どうやって殺されたのかな？」
ユキナリ「あ、それは、左腕に…。」
リンタロウ「左腕？
左腕に何かあったの？」
ユキくんが言っていたミホさんの左腕を見てみると、なにか不自然な腫れがあった。
その腫れの中心には、なにか細いもので刺されたような跡。
ユキナリ「彼女の左腕に何か針で刺されたような跡があったんだ！」
サトル「ほ、本当だな…。」
オサム「そうでしたね…。
遺体の血を拭き取った時に見つけたんでした…。」
サトル「っ……。」
サトルさんの表情にだんだん焦りが浮かんでくる。
そろそろ、やばいんじゃないの？
リツ「これは…なんの跡だ？」
『それ、注射を打たれた跡じゃないの？』
タケオ「そう言われるとそうだな…。」
マキ「じゃあ、ミホさんは注射器で毒を打たれて死んだってこと？」
『他に外傷がないんだから、その可能性が高いかもね。』
コウ「確かにありえるな…。
注射器は、3階の病室にある救急箱の中にあった。
得体のしれない薬品も、この建物の中にはたくさんあるみたいだし…。
毒物を注射して殺したという推理が、一番納得できる…。」
マキ「じゃあやっぱり琴乃ちゃんが言ってた通り、私が拾ったメモリのついたガラス片って…。」
コウ「犯行に使われた注射器の破片ということだろうな…。」
リンタロウ「なるほど〜♪」
コウ「じゃあ、胸元の血液は刃物で殺したと思わせるためのフェイクか…。」
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作者名：ハチミツころっけ | 作成日時：2024年3月15日 16時
