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さんはち ページ39

コウ「…なんだよ。」



『いやぁ、君と付き合う女の子はさぞかし傷つけられるんだろうなぁと思って。』



コウ「お前こんな時に何考えてるんだ…。」



『丁度いいから聞くんだけどさ、今ってどういう状況?
びっくりするほどなんも聞いてなかった。』


コウ「はぁ?
お前、もう少し……はぁ。



お前には毎度毎度呆れさせられる。」



『それほどでも。』

コウ「褒めてない。」






少しどころか大分貶されつつも、新村くんに現状を教えてもらった。

…意外と優しい。








どうやら、タクヤさんが1人で警備していた間、オサムさんが様子を見に、武器庫に来たらしい。

そして、10分以上立ち話をしていた、という。


つまり、彼が1人で居た時間は、ほんの数分であり、その内に殺人を犯すのは無理があるということだそう。


オサムさんの証言により、タクヤさんの潔白が証明された。




リツ「じゃあ、武器庫のナイフも使われていないってことか?


狼は結局どうやって刺し殺したんだ?」



ミサキ「うーん…。
他に刃物があったとか?」



『でも、全員で探索したんでしょ?
見落としがあるとは考えにくいけど…。』



ミサキ「や、やっぱりそうだよね…。」



マキ「あ!
そういうば私、廊下でこんなもの拾ったんだけど…。」



そうやってマキちゃんが提示したのは、メモリの入った何か硝子らしき破片。



チエ「一体何の破片でしょうか…。」



…あ、名探偵琴乃ちゃん分かっちゃった。



『もしかしてこれ…。』





リンタロウ「琴乃ちゃん、何かわかるの?」



『や、確証はないけど…。


ユキくん、医務室の注射器が一本無くなってたって、言ってたよね?』



ユキナリ「あぁ、うん。確かに無くなってたよ。」



『多分、その注射器の破片じゃないかな?』



チエ「だ、だけど…。
なんで植物室に注射器の破片が?」


ミサキ「うーん…注射器で刺し殺した、とか…?」


『うわぁ、ソレ痛そう。』





ミサキちゃんらしい斬新な発想だ。






オサム「あ、あの…。
私の方でも探索してて少し気になったことがあったんです。」




タケオ「何だ?」



オサム「彼女の死体を調べてみたんですが、犯人と争った形跡がないんです。


彼女は胸から血を流していますし、普通そんなところを刺されたなら多少抵抗するものではないでしょうか?」




リンタロウ「そう言われるとそうだね♪」



オサム「彼女の死体は髪の毛さえ乱れていないんです…。」

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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時

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