よん ページ4
………。
いやいやいやいやだって考えてもみなよ?
だって、足踏み外して頭から落下するかもしれないし、
成功して鍵が手に入ったとしても、その勢いのまま壁に激突したり、
なんなら着地した瞬間に足挫くかもしれないじゃん。
こう、グキッ!っと。
『……どうしよ。椅子投げるか?』
ということでtake2。
身長足らねば椅子を投げよう大作戦、決行。
ということで、早速椅子を持ち上げてみる。
『よっ……。
あ、コレ無理だコレ。
コレまじで無理だよコレ。』
椅子を持ち上げた時の重さで無理だと悟ってしまった私だったが、まあ、やってみないと、分からな…
わから……
わか…………
いやまあ結果は見えているが取り敢えずやってみることにする。
『せーの…とりゃああああああ!!!!』
結果は案の定、だった。
敗因、ソフトボール投げ5mの実力はこんなものだった。
そこで虚しい気持ちに駆られつつ、数十秒待ってみても、まあ扉が開く気配は微塵も無い訳で。
『うへーーー、まじで餓死Endなの?私。
こんな薄暗い部屋で1人で死ねと?
悲しすぎんかワタシの人生。
私まだやることあるのに…。』
………ん?そういえば椅子動くやん。
椅子持ってドアに体当たりすれば、ワンチャン…?
お、いいね。それやろうそれ。てかもうそれしかねぇ。
若干扉の奥が騒がしくなっているような、そんな気がしないでもない訳でもないのかもしれないが、今の私は扉に体当たりする方が優先順位が高かった。
扉の奥の人に被害が出ても、私は知らないぞ。
タイミングと運と、電球を私でも届く位置に設置しなかった誘拐犯が悪いのだ。
そう、誘拐犯側に責任転換しつつ、私は覚悟を決めた。
『よっし……たああああぁぁぁ!!!』
バーーーン!!
扉が大きな音を立てて床に転がった。
身体には思っていたより重い衝撃が加わったが、扉はどうやら開いた…というか、外れたらしい。
誘拐犯がしたかったのは、謎解きゲームや間違い探しだったのかもしれないが、私にとってはもはや脳筋ゲームだったようだ。
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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時