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にはち ページ29

さあ、次は何をしようか。








推理モノの醍醐味と言ったら、やっぱり現場検証じゃない?とかいう謎自論から、もう一度植物室に戻ることにした。






『お疲れさまデース。あれ、意外と人少ない。』






死体発見場所、ということもあり、ほぼ全員が調査しているんじゃないかと思って入った植物室には、タケオさん、リツちゃん、マキちゃん、そしてサトルさんの4人がいる。


逆に言えば、この4人しかいなかった。







なるほど、他の人たちは凶器でも探しに行ったのだろう。


それか、気分転換とか?






リツ「お前、こんな状況でよくそんな飄々としてられんなあ。
やっぱり、お前が狼なんじゃないか?」



『エー?
証拠もないのにそんなこと言わないでよリツちゃん。
 


それとも何?私とやんの?その身長で?
言っとくけど負ける気しないからね。』



リツ「へー?上等だよ。
オマエだって大して高くないクセに、いい度胸してんじゃねーか。」




タケオ「お、おい、お前らやめろって…。」




私たちの舌戦が今にも始まろうとしていたが、そこにユキくんが来たため、中断とする。


流石に可愛い子に女同士の醜い喧嘩なんて見せる訳にはいかないからね。






『うわー!ユキくんじゃーん!お疲れ様でーす。』



ユキナリ「あ…琴乃ちゃん。お、お疲れ…?


琴乃ちゃんは今何してるの?」




『みんなと同じで、真面目に探索をしてるとこだよ。


ねぇ?リツちゃん。
みんなで仲良く探索してたよねー?』



リツ「ああ。琴乃以外は全員真面目に調査してるぞ。」



『くっそてめぇ裏切りやがったな神木コノヤロウ…。』



ユキナリ「あ、あはは…。」






まぁ、ふざけるのはここまでにしとこうか。


流石に死体の前で茶番劇しちゃあだめだと思うんだ。



反省の意を示さねば。







『そういえば、ユキくんは何か見つけたの?』


ユキナリ「う、うん…。
さっき、病室に行ってみたんだけど…。



注射器が一本、無くなってたんだよ。」


『なんだって注射器が?』



ユキナリ「そ、そこまではわからないけど…。


あ、あと、睡眠薬も2、3錠無くなってて…。」



『………なるほどね。』






今ので大体の犯人の目星が付いてしまった。



あーあ。もう少しうまくやってよ狼サン。つまんないなぁ。






犯人は現場に戻ってくる、とはよく言ったもので。


彼はここに来て、証拠隠滅だとか、犯行の意識の誘導なんかをしていたんだろう。

にきゅう→←になな



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作者名:ハチミツころっけ | 作成日時:2024年3月15日 16時

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