大きな桜の木の下で？(１) (ＪＵＭＰｘＪＵＭＰ)６人組シリーズ(４)

＝ふたコマ目＝ ページ2

「ビ・・ビー・・エル・・。」と山ちゃんが呟く。

「うん。ボー、イズ・ラブね。
　・・ベーコンレタスじゃないよ？」

「知ってるわっっ！！」と山ちゃんのつっこみ。



「ほんで・・。
　内容がね、主人公が猫が嫌いなんだけど・・
　好きな子が、くしゃみすんと猫になっちゃう
　体質で・・。そんで、その・・猫になっちゃう
　男の子が、い、いのちゃんに・・超！！似てて・・。
　オ、オレ、表紙惚れして買っちゃったんだけどさ。
　それがまた・・その、なかなか・・すごくてさ＿＿＿＿。」



「・・なかなか、ね・・。
　ちょっと、見せてよ。大ちゃん。」

と、本に手を伸ばす山ちゃんを制して、


「だめっ。」と、一言。

「なんでっ？」

と、山ちゃんが眉間にシワを寄せイラついている。



「だって、内容が・・その、すごいって言ったじゃん。
　・・は、だかとか出てくるしっ・・その・・
　いのちゃん見せるみたいで・・やなんだよ。」



呆れた顔で、山ちゃんが

「はぁ〜。つーか、それ、いのちゃんじゃねーし。
　漫画だろ？いーじゃん・・。まぁ、いいや、
　じゃあ、表紙、表紙見せてよ。ほら。」


山ちゃん、妥協して言った。



「う、うん・・。」

オレは、丁寧にブックカバーを取り、

表紙を山ちゃんに見せる。



「これ・・。ね、似てるでしょ？？」



山ちゃんは、腕を組んで考えた感じで

じ―――っと表紙を見て、

「“にゃー、とないたひ”・・・。
　うん・・。似てる、似てるな・・これ・・。
　うわ〜。表紙見たら、中、超気になんじゃん！！
　読みたい、見たい。見してよ、なぁ！大ちゃん！！
　・・・つーか、本屋に売ってんなら、かやー読めんな。
　・・でも、オレ・・これ買う、勇気ねーわ・・。
　大ちゃん・・スゲェな。」

山ちゃんは、コロコロと表情を変えて悩んでいる。



「あ――。でも、やっぱ見たい。
　なぁ、なぁ、見してよー。大ちゃん！！」

と山ちゃんとのやり取りに、


「何してんの？かえろー。」

と、知念と雄也、裕翔が加わった。



知念が、
「ねぇ、いのちゃんは？」

「いのちゃんは今、職員室に行ってるよ。
　オレ、一緒に行こうかって言ったら
　大丈夫って言われちゃった。」

「しつこいと、嫌われんぞ。」と山ちゃんに、

「うるせぇーやい！
　もう、絶対見せないよっ。」

「だぁぁ〜。お願い！見してよ。大ちゃん！！」

とオレに拝む山ちゃん。

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