１９出会い ページ21
セブルスside
授業に使う道具を整理していると、部屋の扉が凄い勢いで開いた。Aが見たことのない怖い顔をしている
何事か、となるべく怒りのスイッチを押さぬよう問いかけてみる
セブ：どうかしたのかね？ そんな顔をして
A：・・先生、私クディッチのシーカー辞めます
セブ：！？ 何かあったのか？ フリントに何かされたり
A：マルフォイが穢れた血って。ハーマイオニーに！ 皆笑ってた！ なんで・・私スリザリンが嫌いです！大嫌い！！
Aは涙を溜めながら一気に喋った
穢れた血。その言葉は我輩にとって後悔しか残らない言葉だった
A：私、本当にスリザリンなんですか・・他の寮が良かった・・
我輩はそっとAの肩を抱くと優しく声をかけた
セブ：確かに、マルフォイのような者が多いのがこの寮の特徴だが。そういう者ばかりではない。Aの父はスリザリンだったが
正義感溢れる奴だった。大切な人を守るために自分を犠牲にもした。勘違いされやすいが悪い生徒ばかりではない。
Aもそうだろう？
A：・・そうだけど
セブ：もし、本当に嫌ならシーカーを辞退してもいい。無理はしなくていい
我輩の私利私欲でAを傷つけたくない。そう思った
A：シーカーを辞退しても嫌いになったりしませんか？
セブ：嫌いになどならん。この先ずっと何があってもな
勿体無いとは思ったがAの気持ちを優先するためクディッチは辞退させた
あの日以来、周りと上手くいっていないのか一人でいることが増えた
移動も、休みの日も。 気づけばいつの間にかAは笑顔が消えていた＿＿
Aside
最近、周りの子達と上手くいかない。パンジーとも話が合わなくなって。気がついたら一人だった
話を合わせるのも、無理して笑うのも疲れた
こんなに疲れるのなら友達なんていらない、そう思い始めた
先生は気を遣っているのか、ご飯の時はいつもそばにいてくれた。私、先生としか喋ってない気がする
中庭で一人ボーッとしていると一人の少女がこっちにやってきた
ルー：ねえ、私の靴知らない？
A：靴？ 見てないよ
ルー：・・そう。また隠されちゃったの。すぐどっかいっちゃうな
A：探すの手伝おっか？ どうせ暇だし
ルー：本当？ありがとう
彼女は一年生のルーナ・ラブグッド。
私たちが仲良くなるのにそう時間はかからなかった
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作者名：Aeria | 作成日時：2023年4月25日 17時
